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ヤマハ発動機、グローバル情報共有基盤をOffice 365で統一

ヤマハ発動機株式会社は、同社グループが活用するグローバルコミュニケーション基盤として、Office 365を導入した。全世界3万ユーザーが活用するという。

 2015年に売上高1.6兆円を目指すヤマハ発動機。グローバル4極における開発の現地化を進め、部材の調達・供給・製造を地域間連携させることで、ものづくり力を高めることが重要な課題となっている。この解決のための1つの手段として、メールやポータルによる情報共有基盤の刷新を決めた。

 刷新にあたっては、グローバル対応、東日本大震災やタイ洪水の経験からBCPの重要性を認識し、クラウドサービスを視野に入れたプランを策定。Lotus Notesクラウド、Google Appsと比較した結果、Office 365を採用した。決め手となったのは「セキュリティとコスト、そして中国での利用可否が最大のポイントとなった」(ヤマハ発動機)。例えば、Google Appsはクラウドデータセンターも非公開で、セキュリティや情報開示姿勢に対する懸念が払拭できなかったという。「マイクロソフトはアジアにおいて現地のデータセンターを見学させてくれたため、安心できた」(同社)。ほかにも比較は微に入り細を穿ち、機能の比較はもちろんのこと、「サービスの可用性」「災害対策」「アップグレード方針」などの非機能要件まで検証したという。

 導入プロジェクトが最終決定したのは2013年2月、そこから7月にはインドとシンガポールへの導入を完了。元々のスケジュールがタイトだった上に、インドの工場新設が急浮上。プロジェクト全体が約半年繰り上げられたにも関わらず、導入はスムーズに進んだという。「Office 365のようなクラウドサービスが優れているのは、まさにこのスピード感」と同社。現在はフィリピン、オーストラリア、パキスタン、ドバイとめざましい勢いで導入が進んでいる。

 今後、中国や日本、米国、欧州などへ順次展開するとともに、最初に取りかかった「Exchange Online」によるメール環境に加えて、SharePoint OnlineやLync Onlineの展開も検討するとしている。

川島 弘之