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ヤマハ発動機、国内システムの“全クラウド化計画”を発動

2018年までにNTT Comのプライベートクラウド上へ

 ヤマハ発動機株式会社が基幹系システムのクラウド移行を決定した。現在日本に所有している基幹システムを、2014年1月からNTT Comのクラウドサービス上に移行。さらに2018年までに国内の全システムをクラウド化し、世界各地域で運用するシステムについても並行してクラウド化を進めるという。NTT Comが9日、発表した。

 ヤマハ発動機は世界30の国と地域に140社のグループ会社を持ち、事業活動を行っている。ビジネスの積極的な海外進出を進めた結果、現在では海外売上高が約90%に達している。一方で生産・販売のために各国ごとに設計・運用されている現在のICT環境は、セキュリティレベルや可用性のばらつきと、グローバルでのICTコストの固定費化につながっていた。

 これらを解決するため、NTT Comが「Bizホスティング Enterprise Cloud」などのICTサービスをトータルに提供する。

クラウド移行完了後のシステム構成イメージ

 ヤマハ発動機グループにおいて世界各国から利用されている基幹システム(生産・調達管理、製品開発、人事・財務などサーバー台数700台規模で構成される)の多くは、現在東海地方において自社運用中で、地震などへのさらなる対策強化が求められていた。これを災害リスクが少ない立地で冗長性の整ったデータセンターで運用される「Bizホスティング Enterprise Cloud」のクラウド基盤へ移行することで、コスト削減と事業継続性の向上を果たす。これにより、サーバー機器やネットワークの維持費、システム監視費などを利用料に応じた変動費とすることで、移行対象のICTシステムに関連するコストの大幅な削減を実現するとしている。

 今後の予定として、ヤマハ発動機が国内に所有している全システムを2018年までにクラウドへ移行するとともに、世界各地域(アジア、欧州、北米、南米など)に所有しているシステムについても、グローバルに展開する「Bizホスティング Enterprise Cloud」上の仮想サーバー環境へ移行する。NTT Comは、グローバル戦略パートナーとして、グローバル共通のマネージドセキュリティサービスの導入などを進め、ヤマハ発動機が目指すITインフラのグローバル統合環境の構築をサポートするとしている。

川島 弘之