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日本マイクロソフト、NPO向けにOffice 365を無償提供するプログラムを開始

Officeのクライアントアプリが使えるプランも1ユーザー月額410円で

日本マイクロソフト 業務執行役員 社長室長兼シチズンシップリードの牧野益巳氏
NPO支援の歩み

 日本マイクロソフト株式会社は30日、オンライン会議やメールなどの機能を備えたクラウドサービス「Office 365」を、NPO(非営利団体)向けに無料、ないしは安価に提供する「Office 365 非営利団体向けプログラム」を発表した。10月1日より提供開始する。

 Office 365は、オンライン会議サービスのLync Online、ファイルの編集・共有機能などを提供するSharePoint Online、メールを中心としたコミュニケーション機能を提供するExchange Online、Microsoft Officeの機能をオンラインで利用可能なOffice Web Appsといったアプリケーションから構成されるクラウドサービス。今回のプログラムでは、これらの機能を利用できるEnterpriseプランのうち、エントリープランの「E1プラン」を無償で提供するほか、クライアント向けのMicrosoft Officeも含めて月額課金方式で利用できる「E3プラン」も優待価格で提供する。こちらの価格は、1ユーザーあたり月額410円(通常は1800円)。

 日本マイクロソフトで企業市民活動を担当している、業務執行役員 社長室長兼シチズンシップリードの牧野益巳氏は、「当社では2000年からNPO支援を続けてきたが、ITをどう使ったらいいかで悩まれている団体が結構ある。これからは、マルチステークホルダーの世の中になるので、関係者と連携が取れる、スピード感を持って仕事ができることが大事。ワークスタイルの変革はそこに向かっていくものであり、ITはそれを支援すると考えている」とあいさつ。

 その上で、「当社も社内で使っているOffice 365では、人がどこにいてもベストなタイミングで連携、コミュニケーションができる機能をふんだんに盛り込んでいる。インターネットにつなぐ環境があれば、会社にいるのとまったく変わらない環境で仕事ができるツールだ。これを、無料、もしくは極めて安価で提供することにより、NPOを支援したい」と述べた。

 「Office 365 非営利団体向けプログラム」を利用可能なのは、認定NPO法人、NPO法人、一般社団法人(非営利型のみ)の各団体で、利用資格の認証後に正式利用が可能になる。この認証については、特定非営利活動法人 日本NPOセンターが協力するとのこと。

 なお日本NPOセンターでは、ベンダーからソフトウェアの寄贈を受け、NPO法人などの対象団体に対して、市場価格の4~10%にあたる手数料のみで安価に提供する「テックスープ」を国内で提供している。マイクロソフトでも、Microsoft OfficeやWindowsを中心に、2万3990ライセンス、市場価格に換算すると11億円以上をこの取り組みに寄贈しており、今回の取り組みとあわせて、NPOでのIT活用を支援するとした。

 日本NPOセンターの情報部門長、土屋一歩氏は、「例えば、Exchange Onlineは外出先での利用や、メール、予定表、タスクなどの一元化を実現できるし、Lync Onlineでは、画面を共有したり、録画したものをほかの人へ見せたり、といった使い方ができる」などと、活用例を紹介。テックスープの取り組みとOffice 365を組み合わせて、NPO法人を支援していくと述べた。

日本NPOセンターの情報部門長、土屋一歩氏
テックスープへさまざまなソフトウェアを寄贈している
Office 365のNPO的活用方法

石井 一志