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日本IBM、DevOps戦略の強化に向けて「UrbanCode」を日本で販売開始

アプリケーションのリリース自動化を支援

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は11日、ソフトウェア開発を支援する「IBM Rational」におけるDevOps戦略について説明会を行い、米IBMが今年4月に買収した「UrbanCode」製品を本日より日本で販売開始すると発表した。

日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏
IBMのDevOpsライフサイクル

 まず、DevOpsを取り巻く市場背景について、日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏は、「クラウドやモバイル、ビッグデータ、ソーシャルなどコンピューティングの新時代を迎えた昨今、ワークロードの変化にともない、システムデリバリーへの要件も大きく変化してきている。例えば、より頻繁なリリースや、より頻繁な統合、顧客との継続的な対話など。こうした変化に対応するため、開発と運用をつなぐ手法であるDevOpsへのニーズが高まっている」と説明する。

 「IBMでは、DevOpsによって、開発と運用だけでなく、ライフスタイル全体でビジネスを加速していくことを目指している。そして、市場機会をとらえ、顧客からのフィードバック時間を短縮するための、より高速で継続的なソフトウェアのデリバリーを支援するソリューションを提供している。今回、このDevOpsライフサイクルを強化する製品として、アプリケーションリリースを自動化する『UrbanCode』を日本市場で販売展開する」との考えを述べた。

 米IBMは、4月22日に、アプリケーションリリース自動化のリーディングカンパニーであるUrbanCode社を買収。UrbanCode社は、1996年に創業し、2001年から10年以上にわたって、アプリケーションリリース自動化ソリューションを提供してきた。現在、「UrbanCode」製品は、世界で400社以上の企業に導入され、大規模のエンタープライズ環境での実績も多いという。

日本IBM ソフトウェア事業 ラショナル事業部 理事の渡辺公成氏

 日本IBM ソフトウェア事業 ラショナル事業部 理事の渡辺公成氏は、「アプリケーションを迅速にリリースするためのボトルネックになっているのが、開発と運用の間にある大きな壁だ。具体的には、プロセス、人の考え、ツールが、開発と運用で全く異なっている。これらをいかにシームレスにつなげて、ビジネスの要求に対していち早くITサービスを提供できるかがDevOpsの課題になる。この課題を解決するソリューションの1つとして『UrbanCode』が求められている」と、DevOps実現に向けた「UrbanCode」の重要性を強調。「『UrbanCode』は、アプリケーションのリリースプロセスを見える化するとともに、複雑な作業を自動化し、そのプロセスを全体でシェアできるようにするソリューション。これによって、アプリケーションのリリースプロセスにおける環境の複雑性、マニュアル作業、運用担当者の作業負荷といった課題を解決し、迅速なソフトウェアデリバリーが可能になる」としている。

 「UrbanCode」の特徴は、「容易な定義」、「品質の担保」、「リリース管理負荷の軽減」の大きく3つ。「容易な定義」では、ノンプログラミングのドラッグ&ドロップによるビジュアルなプロセス定義を実現。リリースプロセス構築の迅速化を図るとともに、誰もが容易にメンテナンスに対応可能となる。「品質の担保」では、品質ゲートによるプロセス制御を行う。完了基準を満たしていないアプリケーションのリリースを防止し、自動化されたリリース処理が勝手に実行されないようにコントロールする。「リリース管理負荷の軽減」では、計画・実行・実績を可視化。リリース状況をリアルタイムで把握することで、問題の早期発見を支援する。また、スプレッドシートでの管理で問題となっていた、一貫性/整合性の欠如や計画の抜け漏れなどを解消する。

「UrbanCode」のデモ画面
「UrbanCode」のデモ画面

 「UrbanCode」を含めた今後のDevOpsソリューションの販売施策については、「銀行や保険、証券、情報サービスなど高い安定性を求める市場、およびeコマース、ソーシャル、ゲームなどスピードを求める市場を主なターゲットとしてDevOpsを推進していく。そのために、DevOpsの支援専門部隊を創設し、システムインテグレーターとの協業を強化する。さらに、DevOpsの導入支援として、プロセス・アセスメント・サービスを提供していく」(渡辺氏)との方針を示した。

唐沢 正和