日本IBMパートナー3社、チームによるソフト開発を支援する「Rationalクラウド」

　アイコクアルファ株式会社、株式会社SRA、株式会社ディアイスクエアの3社は13日、チームによるソフトウェア開発の生産性を向上するIBMクラウドサービス「Rationalクラウド」を発売した。活用することで、IBMのソフトウェア開発環境をオンプレミスで構築するより、初期導入費用を85％以上削減できるという。

　新サービスでは、米CloudOneが日本IBMとのライセンス契約の下、日本語版のIBM Rationalソフトウェアを月額料金制のクラウドサービスとして提供し、アイコクアルファ、SRAおよびディアイスクエアの3社が国内企業に向けて販売する。

　同日より販売開始する「Rationalクラウド」は、チームでのソフトウェア開発の生産性を高める総合開発ソリューション「コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメント（CLM）」の日本語版をクラウドサービスとして提供するもの。CLMは、3つのソフトウェア製品で構成されており、プロジェクトマネージャーや開発者、品質担当者などソフトウェア開発に携わるすべてのメンバーがリアルタイムで情報を入手でき、チーム全体での開発効率を高める。

　3つのソフトウェアは、（1）ソフトウェアが満たすべき膨大な要求を管理するための「Rational Requirement Composer」、（2）ソフトウェアのソースコード管理、構成・変更管理、作業管理などチーム開発に必要な機能を備えた総合開発環境「Rational Team Concert」、（3）テスト計画やプロセス、実行などを管理して効率的な品質管理を支援する「Rational Quallity Manager」。

　3社は顧客の開発ソフトウェアや体制に応じたコンピューティング資源の見積もりや開発環境の詳細な設定、開発プロセスの定義などを支援するコンサルサービスも提供する。

　CloudOneは長年米国の顧客を中心にIBM Rational製品をクラウドで提供しており、今回初めて日本語版を提供する。これまでの経験とノウハウを基に、ソフトウェア開発に携わるユーザー数や開発プロセスの複雑さ、ソースコードの量などに応じて、適切なコンピューティング資源を割り当てるなどの運用管理サービスも提供するとのこと。

　日本IBMは、全世界に展開したクラウドプラットフォーム上で稼働するアプリケーション開発環境と、アプリケーションライフサイクル全体の管理機能を統合し、開発と運用の連携（DevOps）を支援するためのPaaS「IBM SmarterCloud Application Services（以下、SCAS）」を提供している。CLMの3製品のクラウドサービスは、SCASにおいてもユーザー数に応じた月額料金で提供している。同日よりビジネスパートナー3社から販売される「Rationalクラウド」を含め、ソフトウェア開発を支援するRational製品の機能を少ない投資で活用できるよう、顧客の環境に応じた利用形態で提供していくとしている。

　なお、価格については、CLM3製品をオンプレミス環境に構築する場合、ハードウェア、ソフトウェア、導入サービスを含めて約1900万円かかるが、Rationalクラウドの場合は1カ月分の使用料金やトレーニング費用を含めて約280万円に抑えられる。