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LumenとIBM、エッジ向けエンタープライズグレードAIの提供に向け協業
2025年5月8日 11:00
米Lumen Technologies(以下、Lumen)と米IBMは現地時間6日、IBMのAI製品ポートフォリオであるwatsonxと、Lumenのエッジクラウドインフラストラクチャーおよびネットワークを統合し、エッジでのエンタープライズグレードのAIソリューション開発に向けた、新たな協業について発表した。
LumenとIBMは協力して、強力でリアルタイムなAI推論をデータの生成場所に近づけることを目指しており、企業がAIの導入を拡大し、顧客体験を向上させる際に、コストやレイテンシー、セキュリティの障壁を克服できるよう支援するとしている。
協業によりLumenは、低遅延、高スループットのインフラストラクチャーを提供する。エッジ向けに最適化された新しいAI推論ソリューションは、IBM watsonxテクノロジーをLumenのエッジデータセンターに展開し、Lumenのマルチクラウドアーキテクチャーを活用することで、金融サービスやヘルスケア、製造、小売業の顧客が、大量のデータをほぼリアルタイムで分析し、レイテンシーを最小限に抑えられるようにする。これにより、企業は、データの生成場所の近くでAIモデルを開発、展開可能になり、データの制御とセキュリティを維持しながらよりスマートな意思決定を促進し、AIイノベーションを加速させられるとしている。
Lumenのエッジネットワークは、5ミリ秒以下のレイテンシーで、主要なクラウドプロバイダーや企業のロケーションへの直接接続を提供する。IBM watsonxと組み合わせることで、このインフラストラクチャーはリアルタイムのAI処理を実現する可能性を秘めており、パブリッククラウドへの依存に伴うコストとリスクを軽減するとしている。
IBM Consultingは、推奨システムインテグレーターとして、テクノロジーや領域、業界への専門知識を通じて、導入規模の拡張やコストの削減、AI機能のフル活用に向けた顧客の取り組みを支援する。
この協業は、エッジにおけるAIの可能性を実用的でインパクトのある成果に変えることにより、現代のビジネス課題を解決することを目的としていると説明。エンタープライズ企業にとって、これはより迅速なインサイト、運用コストの削減、デジタルイノベーションへのよりスマートな道筋を意味するとしている。
LumenとIBMは、これらのソリューションを共通の顧客に提供し、製造、小売り、物流、金融サービスなどの業界で、実際のユースケースを試験的に導入できるようにする。例えば、IBMとLumenは、AIを活用したデジタルアシスタントと目視検査ツールを使用して、顧客データと在庫システムを強化することで、大手小売業者の顧客サービスの変革を支援している。この開発が完了すると、シームレスでパーソナライズされたインタラクションの提供が可能となり、消費者にとってより速く、よりスマートで、より魅力的なショッピング体験を生み出すことが期待されるとしている。