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ITデバイス&SaaS統合管理クラウド「Josys」がアップデート、ポリシーベースのSaaS管理や承認ワークフローの自動化などを実装

 ジョーシス株式会社は17日、オンライン説明会を開催し、ITデバイス&SaaS統合管理クラウドサービス「Josys」の新たなプロダクトアップデートについて公開した。今回のアップデートでは、ポリシーベースによるSaaSの管理ダッシュボードおよび承認ワークフローの自動化などを実装することで、SaaS管理の最適化やITガバナンスの強化をさらに推進する。

 2022年に設立された多国籍スタートアップ企業であるジョーシスは、累計319億円の資金調達を実施し、米国、インド、日本、シンガポール、ベトナムなどグローバルに300人以上の従業員を擁している。同社が提供するITデバイス&SaaS統合管理クラウドサービス「Josys」は、現在600社以上の顧客企業に利用され、情報システム部門のガバナンス強化を支援しているという。

ジョーシスの企業概要

 今回のプロダクトアップデートを実施する背景について、ジョーシス Japan プロダクトマネージャーの小俣剛貴氏は、「SaaSの導入拡大によって、IT部門の負荷とリスクが増大している。特に、1社あたりが利用する平均SaaS数は増え続けており、多くの企業が社内で利用されているSaaSを検知・管理しきれず、ITガバナンスを適切に効かせられない状況となっている。これにともないIT部門では、“見えないコスト”と“制御不能なリスク”という新たな課題に直面しつつある。こうしたSaaS管理の課題を解決するため、今回、『可視化』『運用』『棚卸』の3つの機能に関して大きなアップデートを実施する」と述べた。

 具体的には、社内で策定した運用ポリシーにのっとり、SaaSのアカウントの削除や権限の変更を自動で行う、ポリシーベースの承認ワークフローを導入する。「これまでの『Josys』は、ポリシーの策定や運用状況の把握、それに基づいた権限変更の実行については、『Josys』の情報を見て担当者が行う、人ベースのワークフローだった。そのため、リソース不足や担当者の交代によってガバナンスが維持されなくなるリスクがあった。今回のアップデートによって、人が操作しなくても、策定した運用ポリシーに基づき『Josys』が運用状況をチェックし、自動で権限変更などを実行できるようになった」という。

新しい「Josys」のリリース内容とソリューション

 このアップデートにともなう新たなソリューションとしては、「SaaSポリシープラクティス」、「SaaS管理スコアダッシュボード」、「Policy Workflow Automation」を実装する。「SaaSポリシープラクティス」は、業界初となるSaaSに対するポリシー管理ツールで、SaaSを実行する上でどのようなポリシーが必要なのかを考えて提案する。

 「SaaS管理スコアダッシュボード」は、SaaSの運用状況が一目で把握できるダッシュボード機能を提供する。このダッシュボードでは、SaaS管理におけるベストプラクティスに沿っているかを元にスコアリングし、必要に応じてアラートを出すことで、次に行うべき行動を提案する。

「SaaS管理スコアダッシュボード」の画面イメージ

 「Policy Workflow Automation」は、ポリシーベースのワークフローを自動化する機能。トリガー、ターゲット、コンディション、アクションの各項目を設定することで、自動化したいワークフローを構築することができる。例えば、「Zoomの利用率データをチェックして、営業社員が30日以内に利用がなかった場合、ライセンスをはく奪する」といったワークフローを容易に作ることができるという。「これによって、利用されていないライセンスの削除や棚卸しの回答に基づくIDの改廃、退職者IDの即時削除、役職による特権アクセスの付与などを自動化することで、ライセンスのコスト効率化やセキュリティ強化を図ることが可能になる」としている。

「Policy Workflow Automation」で自動化できる行動

 さらに、アプリオーナー向けの棚卸し機能として「Access Review for App Owner」を提供する。従来は、IT部門の担当者が各アプリのユーザーへ直接棚卸しを行う必要があったが、「Access Review for App Owner」を使うことで、アプリ管理者がユーザーの代わりに棚卸しに回答することが可能になる。これにより、棚卸しにかかる従業員の工数削減とともに回答率の向上にも期待できる。

 このほか、今回のアップデートでは、外部アプリとの連携を拡充しており、日本市場における連携アプリ数は過去最大の350まで増加したという。特に、「Microsoft Teams」との連携を強化しており、「Josys」からの通知を「Microsoft Teams」でも受けることが可能となった。