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ServiceNow、各種AIエージェントを追加したNow Platformの最新版「Yokohama」リリースを発表
2025年3月17日 09:00
米ServiceNowは現地時間12日、Now Platformの最新版となる「Yokohama」リリースを発表した。
Yokohamaリリースでは、アプリケーション開発の加速、ワークフローのパフォーマンス向上、顧客体験の質の向上すべてを、最高レベルのガバナンスとセキュリティを維持した上で実現すると説明。アプリケーション開発期間の短縮とガバナンスの徹底を目的とした統合型ワークスペースを提供する「ServiceNowスタジオ」から、設定や発注など顧客の利便性を高めるセルフサービスポータルの機能拡張まで、これらのイノベーションを通じた複雑さの解消と効率性向上が可能になるとしている。
ServiceNowスタジオは、ノーコード、ローコード、プロコードの開発者を対象とした、AI主導の統合型開発環境。ServiceNowスタジオにはNow Assistが組み込まれているため、直感的で使いやすいツールを活用して、アプリケーション開発にかかる時間の短縮、コラボレーションの強化、効率的な自動化が可能になる。
クロススコープ編集により、開発者はすべてのメタデータを1カ所で管理することで、複数のプロジェクト間をシームレスに切り替え、開発者の使いやすさを重視したアップデートセット管理を活用して変更を実装できる。
また、AIエージェントの機能が拡張され、AIエージェントスタジオとの統合によって、開発者はアプリとAIエージェント群の両方を1つの環境で設計できるようになった。同時に、Workflow Data Fabricとのシームレスなデータ統合が可能になったことで、確認、承認、申請の変更といった一連のプロセスが自動化され、組織全体でガバナンスの徹底とデータ接続が確保されるとしている。
さらに、新しい生成AIスキルを活用すれば、テスト、最適化、実装といった開発プロセスの自動化がこれまで以上に加速すると説明。RPAボット生成は、自然言語を使用したボットの生成を可能にし、開発の民主化を促進します。アプリ要約機能は、アプリの説明をAIが生成した要約で補完し、重複の確認やアプリの実装準備が整っているかを評価する。自動テストフレームワーク(ATF)生成を使用すれば、自動生成されたテストシナリオでアプリケーションのテスト工程を円滑に進められるため、品質、信頼性、パフォーマンスの向上につながる。
また、サービスオブザーバビリティ機能が提供する、AI主導の洞察を得ることで、ビジネスレジリエンスを確保し、組織全体の可視性を求めて高まるニーズに、セキュアな一元化プラットフォームで対応できるとしている。
注文管理ソリューションのスマート化では、ServiceNowのAIプラットフォームに構築されたSOM(注文管理)が、製品の構成、価格設定、見積もりを注文管理から完了まで一体化することで、販売サイクルの短期化と業務の効率化を図り、シームレスで積極的なサービス提供を可能にする。
セルフサービスコマースポータルは、顧客がいつでも製品の構成や発注、注文状況の追跡をできるようにし、組織の収益拡大を促す。どの段階でも、営業担当やサポート部門が関与する必要はなく、購入プロセスの摩擦を軽減することで、注文放棄を回避し、取引件数を増加させ、迅速な収益獲得を可能にする。注文から完了、サポートまでを単一プラットフォームに一元化することで、他にはないコネクテッドな体験を提供できると同時に、チームが顧客との関係構築に注力できるようにするとしている。
運用面では、ServiceNowのIT Operations Management(ITOM)の一部として展開するクラウド可観測性を、組織全体の可観測性エコシステムを統合し、洞察に基づく行動につなげる単一ソリューションとして提供する。サービスオブザーバビリティ機能は、あらゆるソースから情報を集約し、AI主導の洞察を抽出して、根本原因を迅速に特定する。ビジネスインパクトの定量化と、問題が大きくなる前に解決が可能になる。
サービスオブザーバビリティ機能により、ITチームが既存のソリューションとシームレスに連携できるAI主導の統合型ハブが提供される。AI主導の自動ワークフローが組織のダウンタイムを削減し、臆測による判断を排除して、サービス運用をビジネス成果につなげられる。リアルタイムのインテリジェンスを引き出し、組織の問題解決を事後対応から事前対応に移行できるようサポートするとしている。
ServiceNowは、Yokohamaリリースを通じて、ビジネス変革のためのAIプラットフォームとしてリーダーシップを強化し、現実的なビジネスインパクトをもたらすスケーラブルでインテリジェントな自動化とワークフローを提供すると説明。また、開発の短期化と可観測性の強化を目的とし、販売と注文管理を効率化するツールを提供することで、組織の生産性向上と業務効率化をサポートし続けているとしている。