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日立エナジー、AWSとの連携により電力/エネルギー関連企業に設備・作業管理ソリューション群をクラウドベースで提供
2025年3月28日 12:27
日立エナジーは25日、エネルギー転換の加速に向けて、電力会社およびエネルギー関連企業にクラウドベースのソリューションを提供するため、Amazon Web Services(AWS)と複数年にわたる戦略的な連携について合意したと発表した。
日立エナジーは連携により、AWSのマーケットプレイスを通じて、設備・作業管理ソリューション群を提供する予定。AWSのクラウドインフラを活用することで、ソフトウェアソリューションのシームレスな拡張、使い勝手の向上、迅速な導入を実現する。これにより顧客は、優れた予測分析や作業管理ソリューションに容易にアクセスできるようになり、データに基づく意思決定と、重要業務の効率性向上が可能になるとしている。
連携における最初の取り組みとして、AIを活用した植生管理ソリューション「Hitachi Vegetation Manager」を、AWSのマーケットプレイスを通じて提供する。
Hitachi Vegetation Managerは、Lumada Inspection Insightsの構成ソリューションの一つで、送配電網への樹木の接触による停電やシステムトラブルの頻度を低減するために開発されている。
日立エナジーは、植生を原因とする停電は米国で最も一般的なもので、原因の20%以上を占めているという米国エネルギー省の調査結果を紹介。植生によるトラブルは、送配電事業者と鉄道運営者にとって大きな問題となっており、維持費の高騰にもつながるという。
Hitachi Vegetation Managerは、AI、衛星画像、リアルタイムの天気予報を組み合わせたクローズドループ型のデジタル植生管理ソリューションで、植生に関する予測情報の提供により、顧客が樹木の接触リスクを能動的に特定し、リスクを軽減することを支援する。停電を引き起こす前に潜在的なリスクを予測することで、ダウンタイムの大幅な低減、サービスの信頼性向上、維持費の削減を実現する。
日立エナジーは2024年、米Conduit Power向けにAWSのクラウドを通じて、系統管理ソリューションを提供。クラウドを通じた提供により、通常18カ月の納期を6カ月に短縮しており、今回の連携は、その際の協力関係に基づくものだという。