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日立エナジー、エネルギーシステムの持続可能性や柔軟性の向上を支援するデジタルツインソリューション「IdentiQ」

 スイスに本社を置く日立エナジー(Hitachi Energy、旧社名:日立ABBパワーグリッド)は16日(スイス時間)、高圧直流送電(HVDC)変換所や、STATCOM(無効電力補償装置)をはじめとした電力品質ソリューション向けに、エネルギーシステムの持続可能性、柔軟性、安全性の向上を支援するデジタルツインソリューション「IdentiQ」を販売開始すると発表した。

 デジタルツインとは、フィジカル空間(現実世界)に存在する製品や設備の情報、およびそれらのオペレーションデータ、環境データなどをリアルタイムに収集し、それらをもとに、サイバー空間(仮想世界)上にフィジカル空間とまったく同じ状態・状況を再現する技術。その仮想モデルを用いたシミュレーションなどを行うことにより、将来予測などに生かすことができるという。

 今回発表されたIdentiQは、電力品質ソリューションにおいてデジタルツインを実現する製品で、資産の情報・分析・運用データを1カ所に集約し、設計図書や運用・保守手順、安全に関するトレーニング、監視・分析用の運用データなどを、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズが可能な画面で提供する。この中には、資産全体を3Dで視覚化する機能も含まれており、プラント・機器のさまざまな情報にワンクリックでアクセス可能にすることで、企業の資産管理を改善できるとした。

 例えば、リモートによる総合的な分析とサポート、経年設備の紙ベース情報のデジタル化や、ライフサイクル全体にわたる資産の性能変化などに対応可能になる。また、業界のサイバーセキュリティ標準に準拠しているため、資産データや情報の紛失・破壊からの保護、現場での作業手順や避難経路などに関する事前の仮想訓練にも対応するとした。

 なおIdentiQは、日立の運用管理デジタルソリューション「Lumada Asset and Work Management」をはじめ、さまざまな企業のビジネスシステムとの連携にも対応しており、現場から経営まで、システム全体の可視化を実現できるとのことだ。