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国内データセンターの電力キャパシティは2024年~2029年に年平均13.7%で増加、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は18日、国内に設置される事業者データセンターのキャパシティ予測を発表した。データセンター内のIT機器を稼働せるために提供される電力容量(ITロード)は、2024年末時点における2365.8MVA(メガボルトアンペア)から、2029年末には4499.6MVAへ増加すると予測。これを年間平均成長率(2024年~2029年)に換算すると、年平均13.7%で増加するとしている。

 クラウドサービス拠点としてのハイパースケールデータセンター建設需要が急拡大しており、関東および関西では建設ラッシュとなっている指摘。今回の調査では、キャパシティが非常に大きく、かつデータセンターの利用テナントがクラウド事業者であるようなデータセンターを、ハイパースケールデータセンターと呼んでおり、結果として毎年300MVAを超える規模の、データセンター新設が続く見込みだとしている。

 さらに、生成AIの利用に関心が高まるなか、AWSやマイクロソフトなどのパブリッククラウド事業者はAI関連サービスを拡充しており、ハイパースケールデータセンター内でのAIサーバーの導入が急増していると説明。また、パブリッククラウド事業者以外の企業でも、政府の補助金によってAIサーバーの購入台数が増加し、その設置場所としてのデータセンター需要が増えており、AIサーバーは一般的なサーバーよりも消費電力が大きいことから、データセンターキャパシティ増加の要因となっているとしている。

 他方で、建設コストの上昇により、データセンター事業者の投資負担が増えるが、データセンターキャパシティに対する需要拡大が堅調なため、コスト上昇によるデータセンター新設の鈍化はほとんど見られないと説明。IDC Japan Software & Servicesリサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「特にハイパースケールデータセンターの建設は引き続き急ピッチで拡大するであろう」と分析している。

国内の事業者データセンター電力キャパシティ予測(ITロード):2023年~2029年(出典:IDC Japan)