ニュース
SGシステム、給与支払報告書向けのAI-OCRサービスを強化 平均精度の向上や総括表への対応などを実施
2024年12月18日 16:45
SGシステム株式会社は17日、AI-OCRプラットフォームサービス「Biz-AI×OCR」で提供している、給与支払報告書を対象とした読み取りサービスをバージョンアップし、非定型エンジンおよびAI-OCRエンジンの改良などを行った新版を提供開始したと発表した。
「Biz-AI×OCR」は、SGシステムがグループ内で培ってきたノウハウをもとに、フューチャーアーキテクト株式会社と共同開発したAI-OCRプラットフォーム。さまざまな帳票や文字種にあった複数のAIエンジンを搭載しているため、事前の学習を行わずに利用できる点が特徴となっているが、今回は給与支払報告書を対象とした読み取りサービスの機能強化を行った。
給与支払報告書とは、住民税を算出するために、事業者が従業員に支払った給与額を自治体へ報告するための書類のこと。今回のバージョンアップでは、AIアルゴリズムの刷新や、特定項目に特化したAI-OCRエンジンの追加により、読み取り精度が向上し、明細表の全項目の平均精度が99.1%に達したという。これにより、ベリファイ入力時の不一致エラーが、従来バージョンと比較して20%減少した。また、読み取り難易度が高い「氏名カナ」項目においても、姓名分割をした状態で、精度が98.6%に達したとのこと。
さらに今回は、利用者からのニーズが高かった総括表の読み取りに対応。総括表に対応した非定型エンジンを新たに開発しているため、既存の明細表読み取りサービスと同様、事前の読み取り位置の設定なしに、1枚ずつ自動解析して読み取り結果を返せるとした。なお総括表の読み取りは、8項目に対応している。
加えて、「Biz-AI×OCR」の読み取り結果を確認・修正するための入力システムも新たに提供する。AIの信頼度が高い項目は確認不要とし、信頼度が低い項目のみを確認する「ファストエントリー機能」により、高い作業効率が期待できるという。なお、入力時にはスキャン画像上での入力箇所を正確に示せるので、直感的でストレスの少ない入力を実現したとのこと。
このほか、OCR読み取り結果のファイルを後続システム(エントリーシステムや税務システムなど)が求める仕様に変換する、「ファイルレイアウト変換ツール」を新たに提供する。