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SOMPOシステムズ、日本IBMの「プロジェクト管理のためのAI」を活用した「レポート自動生成」機能を本番プロジェクトに適用

 SOMPOシステムズ株式会社は5日、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が開発した「IT変革のためのAIソリューション」の「プロジェクト管理のためのAI(旧称:Cognitive PMO)」を活用したレポート自動生成機能の本番プロジェクトへの適用を、10月から順次開始したと発表した。

 これにより、プロジェクトの進捗管理と報告レポート作成作業の効率化を実現するとともに、プロジェクト状況をタイムリーに客観的に可視化することで、現場から経営層までが精度の高い同一のデータで状況を把握し、リスクの予兆把握や適切な意思決定を迅速に行えるようになるとしている。

 SOMPOシステムズは、SOMPOグループのIT戦略会社として、各事業会社からITシステムの開発、保守・運用業務を受託している。プロジェクト数が増大する中、プロジェクトの進捗状況の確認や報告作業において、各階層で課題があり、プロジェクト管理を効率的に進め、客観的な指標をもとに評価する仕組みが求められていたという。

 プロジェクト現場では、データ集計やレポート作成が手作業であり、時に主観的な評価・報告になる場合も多いという課題があった。プロジェクト管理部では、各プロジェクトからの報告書の書式が異なり、全体評価資料を作成するうえで評価軸の統一や現場へのヒアリングに時間を要するという課題があった。一方、経営層では、プロジェクト内容を精査する際、報告書だけではリスク把握が不十分なため、管理部や現場に詳細情報を直接確認する必要があるといった課題があった。

 そこで、SOMPOシステムズは、日本IBMが提供する「プロジェクト管理のためのAI」を導入。プロジェクトごとにインプットされた既存の進捗報告書や各種管理表の読み込み、データ集計、レポート作成を自動化した。これにより、各階層の報告先を考慮してカスタマイズする報告書の作成負荷を解消し、プロジェクトマネージャーやPMOが、プロジェクト成功に向けた管理や事前把握したリスク予兆への対応などに注力できるようになる。

 同時に、各プロジェクトの状況が客観的に可視化されることで、複数のプロジェクトの進捗を俯瞰的に確認でき、注視すべき案件の識別や詳細要因の把握が可能になるなど、現場から経営層までが同じ情報をもとに、リスク予兆の把握と適切な意思決定を迅速に行えるようになる。

 SOMPOシステムズは、2024年1月からレポート自動生成の実証実験を開始し、さまざまな機能改善を経て、2024年10月から本番プロジェクトへの適用を順次開始した。

 SOMPOシステムズは今後、日本IBMとともに、レポート自動生成とプロジェクト評価情報提供によるPMOの作業効率化と品質確保を進めていく。また、全てのプロジェクトに展開し、プロジェクト管理文書などのデータを蓄積することで、新しいプロジェクトに取り組む際に類似プロジェクトを検索し、過去のプロジェクトからの気づきを反映させてリスクを回避することや、過去のレビュー実績をもとに現在のプロジェクト品質を評価するなど、過去実績データに基づくプロジェクト品質評価と予測に取り組む予定。

 さらに、将来的には、プロジェクト管理のためのAIのチャットボットによる質疑応答機能も活用し、プロジェクトマネジメント作業の品質向上と効率化を進めていくとしている。

プロジェクト管理のためのAI 全体構成