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リコー、路面点検が可能な可搬式装置のレンタル提供を本格展開開始 利用企業の車両に設置しての計測に対応

 株式会社リコーは23日、建設コンサルタントなどに向けて、「リコー 路面簡易点検支援サービス」により、可搬式装置のレンタル提供を本格展開すると発表した。同社では、計測作業から解析までを一貫して請け負うサービスに加え、可搬式装置のレンタル提供を行うことで、利用企業自身の車両での計測が容易になるとしている。

 「リコー 路面簡易点検支援サービス」は、リコーが貸し出した小型の可搬式装置を一般車両に搭載し、それを用いて路面の点検を行えるようにするサービス。可搬式装置で走行しながら路面の状態を撮影し、AIによる機械学習を活用した分析を行うほか、撮影から測定結果の算出および報告書の作成までを自動で実施することにより、道路インフラの維持・管理を効率化するという。

 こうした路面検査を行う場合、従来は、性能保証された点検車両を用いていたため、車両を保有する建設コンサルタント企業では、維持管理コストや運用効率面に課題を抱えていたほか、点検車両を保有していない企業は、外部に作業委託する必要があったため、コストが上乗せになってしまっていたとのこと。

 しかし同サービスで小型・軽量の可搬式計測装置をレンタル提供することにより、これまで専用車両で使われていた路面性状点検と同等性能の機材を、利用企業自身の車両やレンタカーなどに搭載可能になるので、計測走行を自ら行えるようになり、点検にかかるコストを抑えられるとした。また、軽自動車などの小型車に搭載すれば、生活道などの狭隘な路線にも対応し、より網羅的な点検にもつながるとしている。

「リコー 路面簡易点検支援サービス」可搬式装置の貸出提供 業務フロー概要

 なお、利用する可搬式装置は、ステレオカメラ1台の簡易な装置で構成され、一般に道路の維持・管理の指標として利用される「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性」の3項目を計測可能。ステレオカメラで路面の3次元画像と輝度画像を同時に撮影し、輝度画像のAIによる機械判読から「ひび割れ率」を、3次元画像から「わだち掘れ量」と「平たん性」を自動算出することで、効率的な点検結果作成を実現するとのことだ。

 また上記の3項目に加え、乗り心地の指標であるIRI(クラス2手法)の測定や、道路維持管理の総合的な指標である「MCI(Maintenance Control Index)値」の算出も含め、計測したい項目を任意で選択できる。リコーでは、こうした、多様な評価指標に基づく網羅的かつ効率的な路面舗装状態の把握により、道路修繕の優先順位や時期の的確な判断をサポートするとしている。

「リコー 路面簡易点検支援サービス」可搬式装置 車両搭載イメージ