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リコー、路面点検を利用者自身の車両で行える「リコー路面簡易点検支援サービス」

小型・軽量の可搬式計測装置を開発

 株式会社リコーは5日、小型・軽量の可搬式計測装置により、路面性状点検を利用者自身の車両で行える「リコー路面簡易点検支援サービス」を開発したと発表した。専用車両で行っていた従来の「リコー路面モニタリングサービス」と同等の性能を維持しながらも、より手軽に行えるようになったという。

 「リコー路面簡易点検支援サービス」は、ステレオカメラを搭載した一般車両を用いて、走行しながら路面の状態を撮影することで、路面状況の点検を行うサービス。撮影した映像をもとに、AIによる機械学習を活用した分析を実施して、撮影から測定結果の算出、および報告書の作成までを自動で行ってくれるため、道路インフラの維持・管理を効率化できるという。

「リコー路面簡易点検支援サービス」イメージ

 2019年8月に開始された従来の「リコー 路面モニタリングサービス」では、ステレオカメラで構成されるシステム搭載車として初めて、性能確認試験に合格した車両で測定を行っており、複数台のステレオカメラが必要だったが、新サービスで利用する可搬式計測装置では、より小型・軽量化された新開発のステレオカメラ1台だけで、従来の路面性状計測車両と同等の計測精度で路面点検が可能になったとのこと。

 新サービスでは、一般に道路の維持・管理の指標として利用される「ひび割れ率」「わだち掘れ量」「平たん性」の3項目を計測可能。ステレオカメラで路面の3次元画像と輝度画像を同時に撮影して、輝度画像のAIによる機械判読から「ひび割れ率」を、3次元画像から「わだち掘れ量」と「平たん性」を自動算出することで、効率的な点検結果作成を実現するとした。

 また上記の3項目だけでなく、乗り心地の指標であるIRI(クラス2手法)の測定や、道路維持管理の総合的な指標である「MCI(Maintenance Control Index)値」の算出も含め、計測したい項目を任意で選択可能だ。

 リコーでは、計測走行を利用者自身の車両で行うことにより、点検にかかる支払いコストを抑えられるほか、軽自動車などの小型車に搭載すれば、生活道などの細い路線にも対応し、より網羅的な点検につながると新サービスの特徴をアピール。道路点検業務の受託業者を通じて、より多くの道路に新サービスを展開し、道路インフラの維持・管理の効率化に寄与するとしている。

 なお今回利用している新装置は、一般財団法人土木研究センターが実施する「2023年度路面性状自動測定装置の性能確認試験」(以下、性能確認試験)のうち、「ひび割れ」「わだち掘れ」「平たん性」「距離」の項目の昼間試験に合格した(有効期限:2024年10月1日)ほか、国土交通省が発行する「点検支援技術性能カタログ」にも掲載されているとのことだ。