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2028年の国内ローカル5G市場規模は672億円に、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は1日、国内ローカル5G市場の予測を発表した。2028年のローカル5G市場の市場規模は672億円に達し、2023年~2028年の年間平均成長率は43.0%と予測している。

 国内ローカル5G市場については、ローカル5G対応デバイス、ローカル5Gインフラ、およびローカル5Gと合わせて投資されるIT関連のアプリケーションに対する支出を対象としている。

 2023年の国内ローカル5G市場は、実証実験フェーズから商用フェーズへの移行が見られ、2022年までローカル5Gへの取り組みの多くを占めていた官公庁や自治体、企業などによる実証プロジェクトが大幅に減少した一方、商用導入が大幅に増加したため、市場は成長したと分析。今後、さらなる商用導入の増加が、国内ローカル5G市場の成長を促進すると予測している。

 ローカル5Gの商用フェーズへの移行に伴い、同市場には、一般のICT市場に見られるいくつかの特徴が散見されるようになっていると指摘。その一つが、海外のインフラベンダーやデバイスベンダーによる国内市場での活動が活発化しつつある点で、国内ローカル5G市場は、今後、海外市場と密接につながることで、発展のスピードはより速くなり、市場の成熟が進むと考えられると分析している。また、実証実験フェーズではネットワークの検証に重点が置かれていたが、商用導入では、ローカル5Gの上で稼働するアプリケーションへの投資も大幅に増加すると予測している。

 IDC Japan株式会社Software & Servicesリサーチマネージャーの小野陽子氏は、「国内ローカル5G市場は、今後、海外製品が多く入ってくることで活性化する。また、製品やサービスのコモディティ化も進む。国内ベンダーは、これまで国内を中心にローカル5Gのユースケースや市場開拓に取り組んできたが、今後は、グローバル市場の影響や自社製品の海外販売などを含めて、自社の戦略を再検討すべきである」と述べている。

国内ローカル5G市場 支出額予測:2023年~2028年(出典:IDC Japan)