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ダイキン工業、データ駆動型研究開発に貢献する研究データ管理支援ソフト「ParsleyLab」を提供

 ダイキン工業株式会社は20日、素材開発企業や研究機関における実験・試験など、研究記録の体系的な蓄積とAI解析へのスムーズなデータ移行を実現し、データ駆動型の研究開発に貢献するソフトウェア「ParsleyLab」を3月1日に発売すると発表した。

 ダイキン工業では、近年のグローバル化や顧客ニーズの多様化を背景に、企業や研究機関では、AIなどの最新テクノロジーを活用し、革新的な製品やサービスの開発や、開発プロセスの改善などにつなげる、データ駆動型研究開発が加速していると説明。データ駆動型研究開発は、記録データをAIで解析するのが一般的で、AIに統合する前のデータ整理やAI解析後の分析はデータサイエンティストが行う。

 データ駆動型の研究では、AIやデータサイエンティストが分析しやすい研究データを蓄積するため、研究者は決められたフォーマットで研究内容を記録するのが一般的となる。しかし、素材開発企業や研究機関での研究活動は、多種多様で実験・試験方法も変動するため、記録する項目を完全に固定した画一的なフォーマットで記録することは難しく、研究の進行に伴って新たに必要になる項目の追加など、データ記録における柔軟性が求められていたという。

 ParsleyLabは、実験の手順や結果、数値の関連付けを簡単にできる「パース機能」を搭載することで、研究者はExcelを使い、自身で決めたフォーマットで研究記録を蓄積できる。新たに記録する項目も簡単に追加でき、研究内容をより自由かつ柔軟に記録できる。データサイエンティストもデータの整理をすることなくデータ活用が可能になるとともに、研究者が過去の研究記録をデータ化する際の負担軽減にもつながる。

 実験結果や手順の抽出に役立つデータ検索機能を備え、ファイル名や登録者、文書の全文などの基本情報を使って、必要な研究データを迅速に見つけ出せる。実験項目に基づく検索では、Excelで記録された実験項目とその値の関係性を基に、特定の実験結果を検索でき、特定の条件下での結果やパターンを簡単に抽出できる。実験手順の詳細検索も可能で、合成や配合といった実験の順序を考慮し、具体的な実験手順を検索できる。

 蓄積されたデータは、一括処理に適した形式であるJSONファイルとして出力でき、出力されたJSONファイルは、Web APIを介して外部システムとの連携も可能となる。

 多様な研究内容を効率的にデータ化することで、データサイエンティストの業務負担が軽減されるだけでなく、研究開発の時間とコストの削減につながる。また、整理され検索しやすくなったデータは研究者もアクセスしやすく、異なる研究のデータを比較・統合し、新しい発見につなげることが可能になり、研究者側とデータサイエンティスト側の両者のニーズに対応したデータの蓄積を通じて、データ駆動型研究開発の組織体制の構築に貢献するとしている。