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三櫻工業、データセンター向け水冷冷却装置を新規開発

 三櫻工業株式会社は14日、データセンター向けの水冷冷却装置を新規開発したと発表した。

 開発した水冷冷却装置は、データセンター内のサーバーラックの背面に取り付けることで、サーバーから放出される熱を、パイプ構造に水を還流する仕組みで吸収(熱交換)するもの。製品は大手データセンター事業者の協力を得て、現場での性能検証を実施している。

 三櫻工業では、DX、生成AI、メタバース、自動運転などの膨大なデジタルデータ処理に必要とされる高性能CPUやGPUが発する高熱の適切な処理は、サーバーのパフォーマンスを担保し、空調コストやCO2排出量を低減する上で、データセンター事業者の大きな課題となっていると説明。空調方式としての水冷冷却は、空冷冷却に比べ熱交換率に優れ、海外のデータセンターでは導入が進んでいるという。

 リアドア式冷水熱交換器とも呼ばれる同種の装置は、米国・欧州・中国では既に開発・販売している企業もあるが、日本企業としては三櫻工業が初となると説明。同社独自の材料加工技術を、国内自社工場での開発・製造に生かすことで、国内顧客の個別ニーズに応じたカスタマイズにも、柔軟かつタイムリーに対応可能としている。

 三櫻工業では、ガソリン配管・ブレーキ配管など自動車の重要保安部品、また、2020年の「富岳」とその後富士通株式会社が開発したスーパーコンピューターの水冷冷却方式の配管部品を手掛けている実績に基づき、データセンターのサーバールーム内における水漏れリスクへの懸念を払拭する品質と、環境負荷低減にも資する効率性を持つ水冷システムを提供していくとしている。