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IIJ、SaaS型FX基盤「IIJ Raptorサービス」でコンテナ技術を用いた新基盤を提供

拡張性や性能、セキュリティを向上

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は5日、金融機関向けFXプラットフォーム「IIJ Raptorサービス」において、コンテナ技術を活用した新システム基盤を提供開始したと発表した。なお、この新基盤は、ソニー銀行の為替取引サービスプラットフォームとして採用され、2023年9月より稼働を開始しているという。

 IIJ Raptorサービスは、単一のプラットフォームで、くりっく365(FX・株)と店頭FX、CFDに対応した取引システムをSaaS型で提供するサービス。並列メモリ処理技術を用いた「取引コア機能」を中心に、ユーザビリティに優れた「投資家向け機能」、収益を最適化させる「ディーリング機能」、顧客管理を行う「バックオフィス機能」から構成されているという。

 今回は同サービスにおいて、Kubernetesを中心とするコンテナ技術を採用した新システム基盤を提供する。同基盤は、クラウドネイティブな構成により、システムリソースのオートスケール(自動増減)が行えるため、相場の急変や取引の突然の活性化など市況に応じて、迅速に取引サーバーをスケールアウトできるという。

 また、環境を選ばず展開可能なコンテナ技術により、さまざまなクラウド環境にシステムを迅速に展開できることから、メインシステムのみならず、外部クラウド上へのBCP環境の迅速な展開など、多様なニーズに対応可能。サーバーおよびネットワーク性能の向上、ロードバランサーコンテナやアプリケーションコンテナのスケールアウト構成により、数万人の投資家の同時利用や、秒間数万件規模の約定でも、遅延のない安定した取引が可能とのこと。

 加えて、コンテナイメージに含めるソフトウェアパッケージを必要最小限にすることや、コンテナの自動脆弱性スキャンなどで脆弱性のリスクを抑制。あわせて、Webアプリケーションの脆弱性対策としてWeb Application Firewall(WAF)を導入するなどの対策により、従来以上にセキュリティ機能を強化しているとした。