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AIoTクラウド、ソラコムとの連携でメーターのAI読み取り遠隔監視サービス「WIZIoT」を提供

 シャープ株式会社は29日、子会社の株式会社AIoTクラウドが、IoTプラットフォームを提供する株式会社ソラコムとの連携により、工場設備の遠隔監視サービス市場に本格参入し、AIとIoTの活用により工場設備の巡回・点検業務の効率化を実現する「WIZIoT(ウィジオ)遠隔監視サービス」を2月1日に提供開始すると発表した。

 製造現場では人手不足が深刻化し、工場の安全稼働に不可欠な人力による設備点検業務の負担がますます大きくなっていると説明。AIoTクラウドは、工場設備のメーターなどをカメラで撮影し、AIで読み取ることで点検業務を効率化するサービスを、業界で初めて、固定カメラ・スマホカメラのハイブリッド利用に対応したSaaS型として提供するとしている。

 WIZIoT遠隔監視サービスは、工場設備などのメーター表示をカメラで撮影し、クラウド上でAIが値を読み取り、その結果を自動で点検台帳に記録する。固定カメラでは、あらかじめ設定した点検スケジュールに従って、定期的に自動撮影・AI読み取り・記録するため、巡回による点検業務が不要になる。また、1台の固定カメラで複数メーターの同時読み取りに対応でき、カメラの初期導入コストを低減できる。

 さらに、AI読み取り・自動記録により、従来の目視による読み取りミスや、手書きによる記録ミスなどのヒューマンエラーを削減し、再点検といった手戻りを抑止する。点検データはCSV形式で抽出可能で、報告書への活用も容易に行える。

 固定カメラの自動読み取りにより、巡回業務を大幅に削減できるが、すべてのメーターへの固定カメラの設置は、コストや設置環境の問題で困難との現場の声が多くあるという。

 サービスはSaaS型のため、固定カメラ利用プランとスマホカメラ利用プランを、現場ニーズに合わせて利用できる。高所や暗所など点検が危険な箇所は固定カメラ利用プラン、メーターが多いエリアはスマホカメラ利用プランなど、現場の状況に応じて幅広いニーズに対応する。スマホカメラ利用プランは専用カメラが不要なため、低コストで利用できる。

 ハイブリッド利用でも、点検データはクラウドで統合管理が可能。オフィスなど離れた場所からでもWeb管理画面を遠隔確認でき、管理者の業務を効率化できる。

 アナログからデジタルまで、さまざまなメーターに対応が可能。また、SaaS型での提供のため、クラウドのAIが進化することで、順次監視対象を拡大できる。監視対象は、メーターに加えて、モニターに表示された文字や、ランプ表示の色など、今後、幅広く拡張していく。複数の監視対象のデータもまとめて統合管理できる。

 サービス利用料金(税別)は、固定カメラ利用プランの「AI点検 for ソラカメプラン」が、カメラ1台あたり月額2300円。読み取り回数上限はカメラ1台あたり1日12回。スマホカメラ利用プランの「AI点検 for モバイルプラン」は、メーター1台あたり月額600円。読み取り回数上限はメーター1台あたり1日12回。初期費用は3万円。