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インプレス、「データセンター調査報告書2024」を1月30日発売

ハイパースケール型が累積ラック数でリテール型を逆転、短期的には開設の遅延傾向も

 株式会社インプレスは、新産業調査レポート「データセンター調査報告書2024[投資が続き活況なハイパースケール型、多様化する国内事業者の戦略]」を、1月30日に発売する。
価格(税込)は、CD(PDF)版・電子版が18万7000円、CD(PDF)+冊子版が19万8000円。

 データセンター調査報告書2024は、インプレスの専門メディア「クラウド&データセンター完全ガイド」監修のもと、データセンターの市場動向、データセンター事業者の動向、企業の利用動向などをまとめた調査報告書。2007年度に1回目のレポートを発行し、今年度で17回目となる。

 データセンター調査報告書2024では、近年の国内データセンターの新設動向、データセンター事業者と利用企業の調査などから、クラウドが拡大する中でのデータセンター市場を多角的に分析。ハイバースケール型とリテール型のそれぞれの新設動向と今後の計画、政府の施策動向や最新トピック、データセンター事業者の動向と戦略、関東・関西ならびに各地方の新設動向、利用企業のITインフラ利用の現状と意向をまとめている。

 日本国内の商用データセンターについての分析では、2023年末において、ハイパースケール型の累積ラック数が、リテール型を初めて上回った。さらに今後も、ハイパースケール型のラック数は急速に増加していくことが想定される。ただし、ここ最近の資材高騰やゼネコンの逼迫(ひっぱく)などもあり、建設スケジュールが後ろ倒しになっているプロジェクトが散見されている。そのため、2024年開設予定だったデータセンターが、2025年以降にずれ込むことなどにより、短期的にはやや成長スピードの鈍化が見込まれる。ただし、新規の計画は複数発表されており、総量はさらに拡大すると予測している。

 ハイパースケール型データセンターの、2023年の累積ラック数は約35万ラックで、2030年には2023年の約1.8倍、ラック数換算でおおよそ30万ラック程度拡大し、約65万ラックに達すると予測している。

 一方、リテール型の新設は都市部でのインターコネクション用・周辺主要都市での新設が続くとみられるが、ハイパースケール型と比べると小規模で数も少なく、リテール型のラック数の伸びは限定的と予測している。

ハイパースケール型DC・リテール型DC それぞれの累積ラック数(2016年~2030年)

 また、データセンター調査報告書2024では、近年建設および今後計画されている商用データセンターの立地状況を、一覧表および地図にマッピングして整理しており、ハイパースケール型データセンターの建設状況など含めて一目で把握できる。また、1000件弱の全商用データセンターを、7地域および主要10都市に分けて地図上にマッピングしている。

2023年新設および2024年以降に新設予定のデータセンター立地状況。「白地図(国土地理院)」をもとにインプレスデータを用いて作成
首都圏の2024年以降新設予定のデータセンター立地状況

 データセンター事業者にとって、エネルギー価格の高騰などを受け値上がりした電気料金は大きな影響となったが、電気料金は2023年度はやや落ち着いた状況となっている。データセンターが使用する特別高圧は、政府の補助政策の対象外であるため、大きく値下がりはしていないが、天然ガスや石炭の値下がりにより、値下がり傾向にはある。

 データセンター事業者を対象に実施したヒアリング調査では、多くの事業者がこれまでの電気料金高騰から、値上げなどの対応を済ませていると回答している。一方、自社で提供するクラウドサービスなどがメインサービスで、ハウジングなどのデータセンター事業がメインサービスでない事業では、値上げせずコスト上昇分を企業努力で吸収して様子見のケースも見られる。

 一方、データセンターを利用する企業に対して、データセンターの利用料や電気料金について聞いたところ、30.7%が値上がり、9.1%がサーチャージ形式の導入で電気代が別途かかるようになったとしており、合計で39.8%(「分からない」を除いたうちの約半数)が、値上がりしたと回答している。

データセンター利用企業の電力料金の値上がり状況