シナモン、AI-OCRと生成AIの統合により企業のデータ活用を拡張する「Flax Scanner HUB」を提供

　株式会社シナモンは19日、AI-OCRと生成AIを統合し、企業におけるデータ活用を大幅に拡張する「Flax Scanner HUB」の先行提供を開始し、2024年4月に販売開始（予定）すると発表した。これにより、世界では128億ドルの市場規模である、インテリジェントプロセスオートメーション（IPA）市場に本格参入するとしている。

　シナモンは2017年に、オリジナルAI-OCR「Flax Scanner」の提供を開始し、特に非定型帳票処理の領域で、世界水準の高精度AI-OCRを、国内大手企業を中心に提供してきた。一方、これまで、AI-OCRを非定型帳票処理業務に活用するには、個社のニーズに応じた個別チューニングが必要で、導入までの時間やコストがかかることが大きな課題だったという。

　シナモンでは、こうした課題を解決するため、技術資産として蓄積してきたインテリジェントドキュメントプロセシング（IDP：文書を解析し、情報を抽出・整理するための先進技術）と、新たな発展をみせる生成AI技術を統合し、帳票の定型や非定型を問わず、事前学習不要で必要項目を高精度で読み取り、抽出できるAI-OCRソリューション「Flax Scanner HUB」を開発した。これにより、顧客のAI-OCR導入・活用の体験を革新し、企業におけるデータ活用の大幅な拡張を実現するとしている。

　Flax Scannerはこれまでも、請求書や領収書といった一般的な帳票に加え、健康診断書、貿易書類、製造業における技術文書・図面などの非定型帳票も高い精度で読み取り、帳票の自動分類機能も搭載し、人による作業を削減してきた。

　今回、これらの特徴に加え、生成AIを統合することで、情報抽出の多様化、低コスト化が実現され、文書の読み取りとその後続の業務をシームレスに接続することで、これまで読み取りが難しかった書類や文書でも、速やかにデータ活用できるとしている。

　Flax Scanner HUBは、クラウド、オンプレミス、専用サーバーなど、顧客のニーズに合わせて柔軟に提供可能な環境を用意する。世界水準のAI技術により、業務の削減や効率化を実現し、業務プロセスを大きく向上できる。

　また、Flax Scanner HUBは、こうした柔軟な提供形態により、クラウドのメリットを生かしたスピーディな導入体験や、オンプレミス環境や専用サーバーの特徴を生かしたセキュアな生成AIの利用を可能にしているため、エンドユーザー企業、システムインテグレーター企業、BPO企業を問わず、さまざまなパートナー企業が安心してソリューションを利用できるとしている。