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オラクルとHIDが協業強化、総合行政システムのクラウドネイティブ化を共同で推進

 日本オラクル株式会社は12日、株式会社エイチ・アイ・ディ(以下、HID)と、自治体システムのガバメントクラウド移行対象20業務のみならず、それ以外の業務領域においても連携を強化すると発表した。この連携では、ガバメントクラウドに採択されたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を活用し、HIDが提供する、自治体の主要業務を支える「総合行政システム」をクラウドネイティブ化する取り組みを、共同で推進するという。

 HIDでは、標準化対象業務となる住民記録系業務、税系業務、福祉系業務を含む「総合行政システム」を提供しており、北海道内で、上砂川町を含む25団体、一部業務利用を含めると40以上の団体が利用している。

 一方の日本オラクルは、北海道札幌市において1996年に支社を設立するなど、地場でのビジネスを進めており、最近では、国立大学法人北海道大学、北海道富良野市との3者で、同市のスマートシティ推進施策を共同で立案する「北海道富良野市のスマートシティ推進に関する産官学連携にかかる協定」を締結しているとのこと。

 今回の連携強化では、北海道内で、自治体の主要業務を支える「総合行政システム」のクラウドネイティブ化を進めるにあたり、OCIのクラウドネイティブサービスを活用して、人口規模や税収に偏在の見られる地域特性(規模や団体数など)を踏まえた最適なサービスを実装する。さらに提供団体数の増加を目的に、両社の営業チーム同士の連携も強化するとした。

 加えて、標準化対象業務で得られたノウハウを生かし、標準化対象外業務となっている窓口DXサービス(ナビタップ)や人事給与システム(JINQ SaaS)、勤怠管理システム(RacREC)などについても、クラウドネイティブ化への最適な移行プロセスを構築する考え。さらには自治体市場だけでなく民間市場に対しても、OCIを利用したサービス提供を視野に入れていくとしている。

 なおHIDでは、日本オラクルが北海道において長年の実績を持つ点に加え、OCIが持つコストパフォーマンスの高さや、北海道内の自治体および民間企業による、OCIの多数の導入事例を高く評価しているとのこと。特にコストパフォーマンスにおいては、HID独自の試算によると、他社サービスと比較して大幅なコストメリットが見込めるため、北海道の自治体や民間サービスにも適していると評価している。

 またHIDには、日本オラクルの協力により、OCIに関する複数名の上級資格者が在籍しているというが、今後も有資格者を育成していく予定。さらに今後は、自治体サービスにおける標準化を機に、東北地方をはじめ、北海道以外の自治体にもサービス提供を拡大する計画だ。