NTTデータ、5行が共同利用するオープン勘定系システムを稼働開始

　株式会社NTTデータは4日、株式会社横浜銀行、株式会社北陸銀行、株式会社北海道銀行、株式会社七十七銀行、株式会社東日本銀行の5行（以下、MEJAR各行）が共同利用しているシステム（以下、MEJAR）を、オープン系システムへ移行したと発表した。同日より、国内銀行業界で初めて、マルチバンクオープン勘定系システムの稼働を開始したという。

　NTTデータでは、2010年1月の横浜銀行のサービス利用を皮切りに、MEJAR各行へメインフレームによる共同利用システムを提供してきたが、2019年以降、次期MEJARのオープン系システムへの移行を目指して、次期システム基盤の技術面・コスト面の検証を実施。研究開発と技術検証の結果、2021年4月に、メインフレーム上に構築されたシステムをオープン化するためのフレームワーク「PITON（ピトン）」を用いた勘定系システムの開発に着手していた。

　今回はそのシステム移行が完了されたもので、1月4日からマルチバンクオープン勘定系システムを稼働開始している。

　なお今回の取り組みでは、NTTデータ地銀共同センターなどで利用されている標準バンキングアプリケーション「BeSTA（Banking application engine for STandard Architecture）」をベースにしたアプリケーション資産を、マイグレーションのうえ継続利用することで、移行リスクの低減やサービス品質を確保したという。

　また、アプリケーションを含めたシステム資源を複数行で共用するマルチバンク方式を継続し、オープン化を実現しているとのことだ。

　NTTデータでは今後、MEJARのPITON採用によるオープン系システムのサービスを皮切りとし、ミッションクリティカル領域を中心に、PITONを使ったオープン系システム移行の拡大を進めていく考え。すでに、しんきん共同センターの次期勘定系システムでのPITON採用が決定しており、2026年のオープン系システムへの移行に向けて、開発が進められている。

　さらに、ミッションクリティカルシステムのさらなる効率的な運用や金融機関の管理負担の軽減に向け、将来的な勘定系システムのクラウド構想の実現を目指すとした。