ニュース

ミロ・ジャパン、生成AIを活用した「Miroアシスト」などオンラインホワイトボード「Miro」の新機能を紹介

 ミロ・ジャパン合同会社は20日、オンラインホワイトボード「Miro」における、生成AIを活用した「Miroアシスト」などの新機能を発表した。オンラインホワイトボードとして2011年に事業を開始して以来、ビジュアルコラボレーション、イノベーションワークスペースへとMiroの機能拡張を進めてきた同社だが、今回はAI機能の強化と、ダイアグラム作成機能の追加などを行っている。

 代表執行役社長の五十嵐光喜氏は、「社内のアイデア出しに生成AI活用することも増えているようだが、チャット型の生成AIを使ってのアイデア出し、アイデア磨きをする場合には、1対1での作業となる。Miroの最大の特徴は、大人数でのアイデア出しに活用できる点だ。さらに、1人でアイデア出しにMiroを使った場合にも、そのアイデアに至った経緯がすべて記録され、アイデアが出る流れを把握できる。これは大人数でMiroを利用する場合にも同様で、記録を確認することにより、経緯を把握しながらアイデアに至る道筋を把握できる」と、Miroの強みをアピールした。

ミロ・ジャパン合同会社 代表執行役社長の五十嵐光喜氏

 なお今回の機能拡張は、「AI機能を取り込み、企業がイノベーションを起こすことを助けるという企業として掲げるミッションを具現化するもの」(ミロ・ジャパン Head of Solution Engineeringの石動裕康氏)という。

ミロ・ジャパン合同会社 Head of Solution Engineeringの石動裕康氏

 「今年からAI機能を取り込み、イノベーションをさらに起こしやすくするため、さらなる機能拡張を行っている。最初に製品進化の振り返りを行うと、当社のミッションはチームが次の大きな成果を生み出す力を利用者の皆さんに提供すること。それを実現するために機能強化を進めてきた。2011年のホワイトボードのデジタル版から始まり、2018年にはオンラインで視覚的なプロジェクト管理、ワークショップ、会議が行えるツールに生まれ変わっていった。2022年にはイノベーションワークスペースとして、高度なダイアグラムの作成、アジャイルアプリ開発者向けプラットフォームとして利用するための機能、データレジデンシー強化など、イノベーションを起こすためのプラットフォームとなるべく機能強化を行った」(石動氏)。

Miroが提供するイノベーションのための環境

 今回、強化された機能は、AI機能の強化、高度なダイアグラム作成の機能強化と統合、製品開発ワークフローの大きく3点となる。

 AIの機能強化となるMiroアシストは、生成AIを活用した思考パートナーとして、ボード内に記載されている文章の文脈まで理解し、ユーザーは新たな製品やアイデアを迅速に生み出すことに注力できる。利用場面としては、調査やチームでの振り返り、ブレインストーミングセッションなど。プレゼンテーションの草案作成、次のステップのアクションリスト作成を自動的に生成し、一連のインサイト、調査結果に基づき、チームと関係者が連携することをサポートする。調査やアンケートを結合する場合にも、チーム内の偏った意見を取り除き、ヒューマンエラーのリスクを軽減する。

 また、Miroアシストには、Miroボードに直接統合された大規模言語モデルインターフェイスが備えられ、チャットに似た最新の対話モジュールを介して利用することができる。

 高度なダイアグラム作成の機能強化では、将来は、生成AIの活用と他者間のコラボレーションが標準となることを想定して、もともとMiroが持っているダイアログ作成アプリケーションとしての機能を強化し、競合優位性とすることを意識した。エンジニアやチームがMiroのツールを利用することで、システム設計を可視化することや、コラボレーション、複雑な技術コンセプトの可視化、変革の推進などを実感することができる。具体的には、AIダイアグラム作成機能で、Miroアシストを使ってシーケンス図を迅速に作成する。文章で説明するだけで、プロセス全体をマッピングすることが可能になる。

 オープンソースダイアグラム作成ツールであるDraw.ioとMiroのダイアログ機能が統合され、Miroユーザーは、Draw.ioのダイアグラム作成機能を活用できるようになった。レイヤー、タグ、スマートコンテナ、自動レイアウト、ルーラー、カスタムガイド、および50を超えるシェイプパックへのアクセスなどの機能も利用できる。

 さらにクラウド可視化機能を拡張し、Salesforceが追加された。すでに対応していたGoogle Cloud、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)についても、最新のアーキテクチャに対応するために、既存のシェイプパックを更新している。

 3つ目の製品開発ワークフローでは、エンジニアリングチケットシステムにシームレスに接続された単一システムとなるべく、機能強化が行われた。今回、コミュニティからのフィードバックを受け、Azure DevOpsとの統合を包括的に更新し、Miro上での作業項目の検索、インポート、編集を迅速に行うことができるようになった。

 なお今回の記者会見では、社内スペースを改革するための意見抽出、それをまとめる作業が紹介された。オフィス環境に関する社内アンケートで出た意見を自動的に付せんに書き出し、肯定的な意見、否定的な意見、提案などカテゴリーごとに分類し、どんな意見が多く出ているのかなどを視覚的に確認する。

 また、最新のオフィス環境について生成AIで調べ、アンケートで出た意見とすりあわせ、課題解決策を探っていく様子が紹介された。

デモの様子

 五十嵐氏は、「当社が行った世界7カ国のイノベーションに対する意識調査では、日本はほかの国に比べイノベーションが起きないことへの危機意識が薄いという結果となった。今回の機能強化で、日本企業にもイノベーションを取り込むプラスになれば」と機能強化の狙いを説明している。