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NTTアノードエナジーとNTTコムウェア、再エネ発電事業者向けに「グリーン発電事業統合プラットフォーム」を提供
2023年12月21日 06:30
NTTアノードエナジー株式会社とNTTコムウェア株式会社は20日、太陽光・風力発電のデータを統合的に管理・分析活用する「グリーン発電事業統合プラットフォーム(Smart Data Fusion)」を、国内の再生可能エネルギー発電事業者などに対してNTTコムウェアが販売、提供を開始すると発表した。
グリーン発電事業統合プラットフォームは、NTTコムウェアが開発したもので、再生可能エネルギー発電設備を運営するNTTアノードエナジーのデータをもとに、「期待発電量推定」や「異常早期検知」などのデータ活用モデルを搭載している。NTTアノードエナジーは、プラットフォームの活用を2023年4月に開始。安定的な再生可能エネルギー発電による事業性確保や設備管理業務の効率化を実現し、NTTグループのグリーントランスフォーメーション(GX)、カーボンニュートラル化を推進していくとしている。
太陽光発電や風力発電は、天候などの自然条件に影響を受ける不安定電源で、これらの発電所を多数保有しながら、安定的かつ効率的に再生可能エネルギー発電事業運営を行っていくためには、事業データの統合的な管理・分析・活用が必要となると説明。そこで、発電設備運用ノウハウを持つNTTアノードエナジーと、NTTグループで通信設備管理のDXを支援してきた経験や社会インフラにおけるデータサイエンスの経験を有するNTTコムウェアの知見を結集し、プラットフォームを開発した。プラットフォームを活用することで、再生可能エネルギー発電事業運営の最適化・効率化を実現するとしている。
グリーン発電事業統合プラットフォームは、NTTコムウェアが展開するスマートメンテナンスソリューションブランド「SmartMainTech」に属するプロダクトの一つである、データの可視化・分析による事業運営の高度化サービス「Smart Data Fusion」を活用して構築している。
発電事業者が参照するダッシュボードは、確認すべき観点や、データを確認する際の見やすさなど、ニーズに対応するユーザーインターフェイスを備え、業務の効率化・高度化を実現する。
NTTアノードエナジーの発電データを基に開発したことで、1カ月分程度の学習データでも容易に発電所ごとのAI推定モデルを作成し、「期待発電量推定」や「異常早期検知」が可能となった。また、事業運営に影響の大きい季節変動などには、毎月自動で再学習することで平均誤差2%未満(実績値)の高精度モデルとなっており、年間を通じて安定的な発電事業運営を実現する。
これまで、バラバラになっていた発電運用データを統合管理し、電源種別や事業横断でマクロからミクロまで必要な粒度で把握でき、運営管理の高度化を実現。加えて、事業計画などの財務データも統合管理することで、費用対効果のモニタリングや、事業投資などの経営判断の精度向上が可能としている。
現在、NTTアノードエナジーではプラットフォームを順次導入しており、導入した発電所においては、運営管理のためのモニタリング業務の時間が70%程度短縮可能と見込んでいる。また、高精度の発電量予測などで推定モデルによる設備の異常検知により、設備の不調を未然に発見でき、発電ロスを防ぐことで収益性を向上できるとしている。
NTTアノードエナジーは今後、プラットフォームの活用により、さらなる事業性向上、投資最適化を図り、カーボンニュートラル化を促進していく。NTTコムウェアは、グリーン発電事業統合プラットフォームのAIモデルの高度化などの価値拡大に向け、NTTアノードエナジーをはじめとするNTTグループ内外の企業と連携し、さらなる再生可能エネルギー発電事業の高度化・安定運営の支援に取り組んでいくとともに、プラットフォームを国内の再生可能エネルギー発電事業者などのGX推進、グリーン発電推進のために市場に提供していくとしている。