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三井不動産リアルティ、DB環境をOCIでクラウド移行 WebアプリもMicrosoft Azureで最新化

 日本オラクル株式会社は6日、三井不動産グループの三井不動産リアルティ株式会社が、顧客からの住宅ローン事前審査申し込み受付、金融機関からの審査結果を管理する業務システムのクラウド化に、「Oracle Database Service for Azure」を採用したと発表した。

 三井不動産では現在、システムの導入・運用にあたって、クラウドファーストをコンセプトに、適材適所でクラウドサービスを活用しシステム開発を進めており、三井不動産リアルティでも、このクラウドファーストのコンセプトのもと、グループ会社であるリハウスローンサービス株式会社が利用する、住宅ローン業務システムの更改を進めている。

 同システムは、顧客からの住宅ローン事前審査申し込みを受け付け、金融機関からの審査回答を管理するシステム。現行システムは、オンプレミス環境のOracle Databaseと、データベースと緊密に連携したWebアプリケーションで構成されているが、今回、このシステムをクラウド上で更改するにあたっては、ユーザーのシステム利用を維持・向上するため、Webアプリケーションの依存の高いOracle Databaseをクラウド上でも利用することを前提に、複数のパブリッククラウドを検討した。

 その結果、Oracle Databaseとの親和性や移行性から、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上の「Oracle Base Database Service - Enterprise Edition」をデータベース移行環境として選定する一方で、Webアプリケーションの改修・運用環境としては、Microsoft Azure App Serviceを選定した。

 さらに、このマルチクラウド環境への移行を最小工数で短期で行い、移行後の運用管理負荷軽減を図るために、「Oracle Database Service for Azure」で移行環境を構築し、2024年5月に移行を完了する予定とのこと。

 なお三井不動産リアルティは、このクラウド移行により、現行システムの利便性や性能を維持しながら、リソースを柔軟かつ迅速に拡張可能になり、将来的にユーザーが増加した場合にも安定した運用が可能になる。また、Oracle Base Database Service - Enterprise Editionを冗長構成で運用し、システムの可用性も確保するとしている。

 Oracle Database Service for Azureは、AzureとOCI間の低遅延でセキュアなネットワーク相互接続を提供するほか、データを移動する際のエグレスとイングレスに対して課金されることはないため、クラウドの利用コストを低減できる点もメリットだ。さらに、2つのクラウド環境の連携により、必要なすべての設定は自動的に行われ、Microsoft Entra IDとのフェデレーションにより、簡単にサービスを利用できるようになるという。

 なお、この採用にあたり、クラウド移行の技術検証(PoC)は株式会社システムエグゼが行っており、データベース環境およびアプリケーションの移行支援も担当するとした。