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レノボとNVIDIA、企業の生成AI導入を支援するハイブリッドAIソリューションを発表

 米Lenovo(以下、レノボ)と米NVIDIAは現地時間10月24日、すべての企業に生成AIの能力を提供するという共通のビジョンの実現に向け、両社のパートナーシップ拡大を発表した。

 NVIDIAとのコラボレーションを通じて、レノボが提供する完全統合型システムは、エッジからクラウドまで、データが生成されるすべての環境にAIベースのコンピューティングを搭載すると説明。これにより、企業はカスタムメイドの生成AIアプリケーションを容易に導入でき、あらゆる業界でイノベーションとトランスフォーメーションを推進できるとしている。

 新登場のLenovo AI Professional Services Practiceを通じて、企業はソリューションを活用し、ハイブリッドクラウドのアプローチを採用できる。具体的には、NVIDIA AI Foundationsクラウドサービスを用いてカスタムAIモデルを構築した後、生成AI向けに設計されたNVIDIAの最新版ハードウェアとソフトウェアを搭載したレノボのオンプレミスシステムで実行できる。

 レノボのNVIDIA搭載システムは、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアの実行用に最適化されており、セキュリティとサポートが確保され、安定したAIの活用を実現する。NVIDIA AI Enterpriseに採用されているNVIDIA NeMoフレームワークにより、NVIDIA AI Foundationsで利用可能なエンタープライズグレードの大規模言語モデルをカスタマイズできる。また、最新の取得拡張生成(RAG)技術と微調整手法を用いることで、企業は、自社独自のビジネスデータを利用し、本番向けに最適化された、レノボのハイブリッドAIソリューションで動作する生成AIアプリケーションを構築できる。

 両社のパートナーシップ拡大の柱となるのは、Lenovo ThinkSystem SR675 V3サーバーとThinkStation PXワークステーションで、これらの製品は、NVIDIA AI Enterpriseを実行する本番AI向けに最適化されている。ThinkSystem SR675V3は、NVIDIA L40S GPU、NVIDIA BlueField-3 DPU、NVIDIA Spectrum-Xネットワーキングで構成される。ThinkStation PXは、システム内で最大4個のNVIDIA RTX6000 Ada GPUを使用可能で、より強力なAI機能とデータセンターパフォーマンスをデスクトップ環境にもたらす。

 レノボとNVIDIAは今後、柔軟なNVIDIA MGXモジュール式リファレンス設計に基づく次世代システムを開発することで、高負荷な生成AIワークロードにも対応する、堅牢かつセキュアなソリューションを幅広く提供していくと説明。さらに、OpenUSDアプリケーションの接続・開発用プラットフォームのNVIDIA Omniverseにより、没入型シミュレーションと認知的決定の大規模な導入を支援していくとしている。

 また、レノボのソリューションは、最近発表されたVMware Private AI Foundation with NVIDIAにも対応し、VMwareの顧客企業が生成AIをより効率的に採用できるとしている。

 導入については、最新のLenovo AI Professional Services Practiceと、従量課金モデルのレノボのTruScale aaS(as a Service)を通じて、企業が自信を持って容易にAIを導入し、AI主導型のトランスフォーメーションに着手できるよう支援していくと説明。Lenovo AI Professional Services Practiceは、あらゆる規模の企業を対象としており、AIの可能性を見出し、最適なソリューションを特定して、迅速に、高いコスト効果で、かつ大規模に、企業がAIを自社の業務に導入できるよう支援する。