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IIJ、千葉市立全学校168校の教育情報ネットワーク「CABINET」更改案件を落札

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は16日、千葉市立の全ての学校168校(小学校、中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校。2023年度時点)が利用する教育情報ネットワーク「CABINET」の更改案件を、千葉市教育委員会から9月1日付で落札したと発表した。

 同案件は、千葉市教育委員会の第3次CABINETシステム構築および運用で、実施期間は初期プロジェクト期間が2023年10月~2024年12月、運用期間が2025年1月~2029年12月。共同提案者は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)で、契約金額は135億2494万円(税込)。

 案件では、CABINETを構成する学習系ネットワークと校務系ネットワークおよびシステムのリニューアルを目的として、新たなデータセンターでの学習・校務システム用の仮想基盤の構築やシステムの移行をはじめ、データセンターからの300Gbpsの帯域保障型インターネット接続環境、学校など拠点とデータセンターとを、それぞれ1~3Gbpsの専用回線で結ぶWANに加え、学校など拠点への7700台以上のネットワーク機器や、提供サービスすべての運用保守とヘルプデスク設置などを行い、千葉市の学校現場において高度な情報教育を実現するICT環境を包括的に提供する。300Gbpsの帯域保障型インターネット接続サービスの提供は、IIJにおける単独団体向けの契約としては、ネットワーク事業者を除いて過去最大級となるという。

 千葉市教育委員会では1999年から、情報教育の高度化、校務作業のICT化による業務効率化を推進するため、教育情報ネットワーク「CABINET」整備事業を実施しており、2011年には市立の小中特別支援学校の全教職員と生徒用にPC端末を導入し、大規模なシンクライアントシステムを構築するなど、ICT環境の整備を進めてきた。

 しかし昨今は、教育現場においてクラウドの学習コンテンツやテレビ会議などの活用が急増したことから、ネットワーク帯域の不足や遅延など通信品質に問題が生じるケースが増え、また今後はICTを活用したアクティブラーニングの導入や、デジタル教科書、CBT(Computer Based Testing:コンピューターを利用した試験方式)の本格活用など、高い通信品質を前提とする教育施策を推進していく方針であることから、帯域不足や遅延のない高品質で快適なネットワーク環境の確保が大きな課題となっていたという。

 今回のCABINET更改では、すべての学校など拠点168カ所から、各1~3Gbpsの専用回線(帯域保証型WAN)合計271本でIIJのデータセンターに接続した上で、データセンターから300Gbpsの帯域保証型回線を経由し、インターネットに接続するネットワーク環境を構築する。拠点ごとにISPに直接接続する方式(ローカルブレイクアウト)と比較して、顧客で自由に帯域を制御できることから、高品質で快適なインターネット接続環境を確保できるとしている。

 また、データセンターには各認証基盤や、学習・校務システムおよびコミュニケーションインフラ基盤、セキュリティ基盤を構築し、児童・生徒をインターネット上の脅威から保護するとともに、学習業務や校務で取り扱う機密性の高いデータも安全に管理する。

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