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IPA、サプライチェーンにおける企業間データ連携の要件を定義したガイドラインの手引きを公開
2026年3月11日 06:30
独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は10日、「データ連携の仕組みに関するガイドラインの手引き サプライチェーン共通編 1.0版」を公開した。
同書は、サプライチェーンにおける企業間データ連携の仕組みの構築に向けて、共通的な業務・機能要件や設計方針を整理し、個別ユースケース向けガイドラインの作成を容易にすることを目的としている。これにより、カーボンニュートラルの実現やトレーサビリティの確保などに資する仕組みの社会実装を促進し、産業競争力の強化に貢献する。
IPAでは、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、経済安全保障への対応などを背景に、サプライチェーンでのデータ連携と可視化の重要性が高まっているが、営業秘密の保護、トレーサビリティの確保や相互運用性の担保といった共通課題に対し、ユースケースごとにガイドラインを作成することは非効率で、記載のばらつきを招く恐れがあると説明している。
データ連携の仕組みに関するガイドラインの手引き サプライチェーン共通編 1.0版は、こうした課題に対し、サプライチェーン領域で共通に必要となる要件を整理することで、それぞれのユースケースを対象とするガイドラインの品質安定化と策定期間の短縮を実現するとともに、データ連携のユースケースに関わるステークホルダーの共通認識を醸成することで社会実装の促進を支援することを目的としている。
取引契約に基づくトラストを前提とした原材料調達から製造・流通までのサプライチェーン上の企業間データ連携を対象とし、データ主権の尊重、トレーサビリティ、トラスト、相互運用性、サービス多様性の確保といった共通の要件を提示している。
序章では本書の位置付けや想定読者を明確化し、第1章以降でOpen Data Spacesが提供するアーキテクチャモデルであるODS-RAMを参照した基本方針、サプライチェーン領域に共通する業務要件やビジネスアーキテクチャの整理、システムアーキテクチャおよび仕様の提示までを包含し、モデル規約の活用や共通識別子・データモデルの採用など、実装に資する具体的な指針を示している。これにより、日本のサプライチェーン領域におけるデータスペースの取り組みがOpen Data Spacesの技術的コンセプトのもと共通化され、信頼性のあるデータ流通を効率的に実現する。
同書が個別ユースケース向けガイドラインの参照先として活用されることで、カーボンニュートラルの実現やトレーサビリティの確保といった社会課題の解決に向けた企業間データ連携の仕組みが実現され、社会の持続的な発展に貢献するとしている。
