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リコージャパンがセキュアと資本業務提携、2030年度には空間セキュリティで100億円の売上を目指す

 リコージャパン株式会社は9日、株式会社セキュアと資本業務提携契約を締結したと発表した。リコージャパンからセキュアへ9億6000万円の出資を行う。

 セキュアは入退室管理システム、監視カメラシステム、画像解析サービスなどの提供を主な業務としている。一方のリコージャパンは、「RICOH Spaces」の名称でオフィスや倉庫などの空間マネジメントビジネスを展開していることから、セキュアの持つ監視カメラシステムやノウハウを活用し、空間セキュリティ事業を拡大する。

 「これまでは監視カメラ単体の販売が主だったが、セキュアとの提携により、監視カメラ導入の際のコンサルティングや運用などに事業範囲を拡大していく。2030年度には100億円規模のビジネスとすることを目指す」(リコージャパン 取締役常務執行役員の宮本裕嗣氏)とした。

リコージャパン株式会社 取締役常務執行役員の宮本裕嗣氏

「RICOH Spaces」とセキュアのソリューションを連携、フィジカルセキュリティ領域の事業拡大を推進

 セキュアは2002年に設立され、2010年から、現在のメイン業務であるオフィス・工場・商業施設向けセキュリティソリューションを提供している。

 セキュア 代表取締役社長の谷口辰成氏は、「監視カメラなど、従来のフィジカルセキュリティは、『防犯』と呼ばれる外からの侵入者対策がメインだった。しかし、2010年ごろからSNSが普及し、大企業だけでなく中小企業においても、個人情報漏えいや“バイトテロ”といった内部で起こる脅威に対するリスクマネジメントが必要となった」と、フィジカルセキュリティ対策の対象や守り方に大きな変化が起こっていると指摘した。

 同社では監視カメラなどにAIやクラウド、顔認証システムなどを応用することで、ビジネス解決ツールとして活用していくことを提唱している。

株式会社セキュア 代表取締役社長CEOの谷口辰成氏

 一方、リコージャパンでは、場所にとらわれない円滑なコミュニケーション環境の構築、質の高いコラボレーションを可能とする最適な働く空間の提供を目指したワークプレイスエクスペリエンスの提供を、事業の成長領域と位置づけている。

 そうした戦略の一環として、「RICOH Smart Huddle」の名称で、働く場所のデザイン・設計、家具や什器の選定、工事の施工・管理までをワンストップで支援する事業を立ち上げたが、その中核として、スペース予約、受付管理、分析レポート、IoTセンサー連携などの機能を持つ空間管理のためのプラットフォーム「RICOH Spaces」を展開し、そこにセキュアのソリューションを連携することで、フィジカルセキュリティ領域の事業拡大を進めていく。

スペース(空間)マネジメントにおけるDXエコシステム

 セキュアは入退室管理システム、監視カメラシステム、商業施設の来店分析や混雑管理サービスで1万3000社を超える企業への導入実績を持つ。リコージャパンは2018年からセキュア製品の取り扱いを開始したが、2022年度以降は年々事業が拡大している。

 「監視カメラを提供するメーカーはほかにもあるが、監視カメラだけでなく、入退室管理やデータを活用した可視化やAI活用といった応用まで拡大できるといった点で、セキュアを高く評価している」と、リコージャパンの宮本取締役常務執行役員は説明する。

 セキュアにとっても、「当社が提供するフィジカルセキュリティの価値を高めていくためには、ほかのシステムとの連携が重要な鍵になる。勤怠や受付との連携、工場でのさまざまなセンサーとの連携が必要となる。多彩なビジネスソリューションを持つリコージャパンとの提携により、我々が提供するフィジカルセキュリティシステムの価値を高めることができる。また、多くの顧客を持っているリコージャパンとの提携によって、より多くの顧客獲得につながるのではないかと考えている」(セキュアの谷口社長)と、メリットが大きいことから資本業務提携を結ぶことを決断した。

リコージャパンとSECUREの協業実績

 今後、リコージャパンでは、ワークプレイスの課題を解決できる人材「スマートハドルスペシャリスト」を育成し、2025年度には90人の育成を目標としている。今回、セキュアとの提携で、スマートハドルスペシャリストが監視カメラ設置など、フィジカルセキュリティに関するノウハウを習得するよう育成していく。

「スマートハドルスペシャリスト」の概要

 その上で、両社のシナジーによるインテグレーション強化を行う考え。2026年度にはフィジカルセキュリティに知見を持つセキュアの専任人員を首都圏に配置し、その後、徐々に地域を拡大して2028年度には全国まで人材配置を拡大する計画だ。

両社シナジーによるインテグレーション強化施策

 リコージャパンでは従来のワークプレイス構築にとどまらず、フィジカルセキュリティをふまえた提案、導入、構築、運用までを一貫して手がけるシステムインテグレーション事業を進めていく。またRICOH Spacesなど、リコージャパンが提供するシステムとの連携を進め、2030年度までには、セキュアとの協業によって100億円の売上を目指していく。

2030年度までに売上100億円を目指す