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三洋化成、NTTデータGSLの支援のもとで基幹システム群のビッグバン導入を完了

 株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)は30日、三洋化成工業株式会社(以下、三洋化成)のSAP S/4HANA環境構築を支援したと発表した。システムの構築は4月に完了し、同月より本社を含む国内6社で本番稼働を開始したと発表した。

 機能化学品の製造・販売を行う化学メーカーである三洋化成は、2002年に、ホストコンピュータをベースに基幹システムを改新し、20年以上にわたって基幹システムを運用してきたが、ブラックボックス化している部分が多く、2024年にホストコンピュータが保守終了を迎えるのを機に、基幹システム群を刷新することを決定。2021年に「ERP推進プロジェクト」を開始した。

 同プロジェクトでは、1)環境変化に柔軟に対応できるシステムであること、2)「柔軟で多様な働き方」を支えるシステムであること、3)基幹業務システム再構築の実現によりデジタル技術を活用した競争力を確保すること――、の3つの目的を掲げ、システムの選定を行った結果、ビジネスの変化に柔軟に対応できる基幹システムとして、「SAP S/4HANA」の採用を決定。海外拠点を有する化学品メーカーにおいてSAP S/4HANAの導入実績を多く持つNTTデータ GSLに、システムの構築を依頼している。

 依頼を受けたNTTデータ GSLでは、柔軟性も含め要件が合わないものに関しては、ERP連携を意識した上で、SaaSクラウド/外部システムの積極活用を図る方針のもと、アドオン開発を最小限に抑えたFit to Standardのアプローチによってプロジェクトを推進し、アドオン開発を極小化して、安定したシステム稼働へと導いたとした。

 ERPの適用範囲は全業務領域に渡っており、財務会計・管理会計・販売物流管理・購買管理・生産管理・品質管理といったコアモジュールに加えて、日本での導入事例が少ない次世代倉庫管理システム「SAP EWM(Extended Warehouse Management)」を採用することで、ERP内での倉庫棚番管理を実現した。

 さらに、業務系ワークフロー基盤には「intra-mart」を選択。ペーパーレス化に向けては、ウイングアーク1st株式会社の「SVF」、「invoiceAgent文書管理」、「invoiceAgent TransPrint電子取引」といった帳簿管理・電子帳票ソリューションを採用し、ERPと連携させている。

 なお、プロジェクトは2021年1月より構想策定を開始し、当初の予定どおり2023年4月から本番稼働を開始している。大型プロジェクトでありながら、約2年という短期間で国内6社におけるビッグバン導入プロジェクトを完了させたとのことだ。