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キヤノンITS、AI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」の新版で良品学習機能を提供

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は4日、AI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」の新バージョンを10月上旬に提供開始すると発表した。

 Visual Insight Stationは、製造工場、設備点検、物流倉庫における検査の省力化を実現するためのソフトウェアプラットフォーム。高解像度なカメラで撮像した物体表面の微小な欠陥を検出する外観検査、および、CT装置で撮像した物体内部の微小な欠陥を検出する非破壊検査をAIで実現でき、リーズナブルかつ短期間でAI検査システムを構築できる。

 キヤノンITSでは、外観検査をAIに代替またはアシストさせる動きが活発化しているが、一般的にAI検査で用いられる不良品による学習(不良品学習)は、AIに不良箇所を学習させる工程が必要となり、不良品の収集に時間がかかることや、不良箇所を指定するアノテーション作業の負荷が高いことから、導入までに時間がかかっているのが現状だと説明。今回のバージョンアップでは、こうした良品学習での検出性能が低いというこれまでの課題を解決すべく、近年のAI技術をもとにキヤノンITSが開発した、新たな良品学習の機能を提供する。

 提供する良品学習機能は、大規模な画像データによる事前学習と最適化によって、これまで良品学習の課題とされていた検出性能の改善に加え、学習時間の短縮も実現し、顧客の検査現場での作業負荷軽減に貢献する。良品学習機能は、良品画像の特徴を学習し、良品画像にはない特徴を異常として検出する手法であることから、主に異物検査や外観検査などの用途に適しているとしている。

 Visual Insight Stationの価格は200万円(税別)から。キヤノンITSでは、新たに提供する良品学習機能により、顧客の課題解決の対応範囲を拡大していくと説明。今後も、モノづくり企業としての生い立ちを生かし、長年の開発で培った先端技術を強みに、顧客のニーズに最適なソリューションをワンストップで提供していくとしている。

不良品学習と良品学習の違い