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SCSK、生成AIを活用した質疑応答支援システムの概念検証を実施

 SCSK株式会社は6日、自社専用環境に生成AI「SCSK Generative AI(以下、SCSK-GAI)」を活用した質疑応答支援システムを開発し、概念検証を開始したと発表した。

 開発した質疑応答支援システムは、公開済みの情報を学習している汎用的な生成AIとは異なり、経営資料や社内文書などの非公開情報を事前に解析処理し、専用のデータストアの作成を行う。その上で、入力された質問文を解析してそのデータストアと照合し、回答作成に必要なテキスト要素をSCSK-GAIに連携する。

 SCSK-GAIは、このテキスト要素から自然な回答文を生成し、表示する。合わせて、回答の根拠となった参照ファイルも表示する。システムは、SCSK専用のセキュアなクラウド環境に構築しており、経営資料や社内文書など機密情報を含む情報セキュリティを担保する。

 SCSKでは、生成AIの業務への活用により、業務効率、生産性の向上が期待されているが、公開済みの一般的な情報をもとに学習している汎用的な生成AIでは、企業が公開していない情報や各社に特化した情報を扱うことが難しく、適切な回答結果が得られないという課題があると説明。特に、社外からの問い合わせ対応業務において生成AIを活用するためには、企業内に保持している多岐にわたる非公開の資料を元にした学習、さらに質問内容に応じて適切な情報を抽出した上での回答作成が必要となるとして、概念検証はシステムの有効性の確認と、実用化に向けた課題を明らかにするとしている。

 システムの概念検証では、過去の株主総会やアナリスト向け説明会で実際に発生した質疑応答を参考にして、回答の精度や速度の評価を行っており、今後、抽出された課題に対する改善を行い、社外からの問い合わせ対応業務全般への適用範囲の拡大を目指す。

 また、SCSKは住友商事が主導する生成AI活用ワーキンググループに参画し、住友商事グループのInsightEdge、SCデジタルメディアとともに、グループ全体での生成AI活用に関するノウハウを蓄積・共有し、既存事業の高度化や新規事業の創出につなげるとしている。