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SCSK、Azure上に各企業専用の生成AI環境を構築するサービス「生成AI 統合活用基盤」

事業・業務ごとに異なるセキュアな生成AI環境を構築可能

 SCSK株式会社は11日、Microsoft Azureに各企業専用の生成AI環境を構築するサービス「生成AI 統合活用基盤」を提供開始すると発表した。生成AIの利用に必要な認証やセキュリティなどの共通機能を提供するほか、RAG(検索拡張生成)環境の提供によって、より高精度な回答を生成AIから出力可能になるという。

 「生成AI 統合活用基盤」は、複数の利用者が共有できる各企業専用の生成AI統合活用基盤を、Microsoft Azureを活用して構築するサービス。共通機能と個別学習・対話機能を分けて配置することで、企業の自社データ活用と業務効率化、DX推進、セキュリティガバナンスの向上を同時に支援できるとした。

 事業や業務ごとに異なる生成AI環境は、1つの画面から簡単に操作でき、タブ切り替えによって、標準の生成AIチャットと個別学習モデルを活用したチャットを素早く使い分けられるとのこと。

 学習面では、事業・業務ごとに異なる生成AI環境を個別に構築する必要はなく、簡易的に追加可能な点が特徴。部署限定の情報はほかの部署から見られないように設定でき、個別環境でユーザーアクセスを制御できるので、セキュリティが向上するとしている。

 このほか、各種ドキュメント(Microsoft Office文書、PDF、CSV、HTML、JSONなど)をRAGへの学習データソースとして取り込み可能。テキスト検索、ベクトル検索、ハイブリッド検索など複数の検索モデルを選択でき、目的の情報へ素早くたどり着けるとした。ドキュメント管理、ログ確認用の管理者向け機能も提供する。

 またセキュリティ面では、アカウントやパスワードの管理、ログの取得などの共通機能を一元管理し、コストの最適化とガバナンス向上を実現。Microsoft Entra IDを利用した認証とAzureセキュリティ基盤を標準装備するほか、オプションでFirewallやWebアプリケーションファイアウォール(WAF)も導入可能だ。

 価格(税別)は、初期導入費用が300万円、サポートサービスが年間150万円。その他のオプションメニューは個別見積もりとなる。なおSCSKでは今後、プロンプトの共有や、RAGのデータソースとしてMicrosoft SharePointの活用を可能にするなどの機能拡充を行う予定だ。