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SAPジャパンとSkillnote、スキルマネジメントシステム「Skillnote」をSAPインダストリー・クラウド・ソリューションとして提供

 SAPジャパン株式会社と株式会社Skillnoteは4日、スキルマネジメントシステム「Skillnote」を、業界のニーズに特化したソリューション群の「SAPインダストリー・クラウド・ソリューション」として、世界各国のものづくり企業を対象に提供開始すると発表した。

 Skillnoteは、製造業における従業員の力量情報を活用した、計画的な人材育成と人材配置を実現するスキルマネジメントシステム。従業員のスキル情報を軸に、教育情報(OJTや講習の計画、履歴)および資格情報のそれぞれを連動させた一元管理により、組織的な人材戦略の策定および個人に最適化した育成計画の立案、進捗管理を実現する。

 SAPは、パートナー企業と協力して、業界固有のニーズに対応する専用アプリケーションであるSAPインダストリー・クラウド・ソリューションを提供することで、コスト効果の高い変革と持続可能な成長を支援する。SAPとパートナー企業が、SAP Business Technology Platform(以下、SAP BTP)を使用して、オープンなプラットフォーム上に構築したこれらのソリューションは、既存システムと連携して投資価値をさらに高めることを目指すとしている。

 今回、SkillnoteがSAPインダストリー・クラウド・ソリューションに加わったことで、設計から製造までの情報を統合的に管理する製造業向けERP「SAP S/4HANA Manufacturing for Production Engineering and Operations(以下、SAP PEO)」と、SAP BTPを通じてシステム連携が可能になる。

 Skillnoteは、単独でのサービス提供やSAP SuccessFactorsをはじめとした人材管理システムとの連携だけでなく、生産管理システムや製造実行システム(MES)、設備機器/IoTなどとの連携による付加価値の向上に注力しており、製造データを一気通貫で管理するSAP PEOとのシステム連携は、こうした取り組みを大きく前進させるものだとしている。

 SAP PEOとSkillnoteの連携により可能となる活用としては、無資格者による作業を防ぎ、品質と安全性を担保できると説明。一定以上のスキル・資格が必要な作業において、SAP PEOによる作業指示の際に、Skillnoteのスキルデータに基づき作業実施可否を判定することで、無資格者による作業を防げる。一定水準のスキル保有者が確実に作業を行うことで、品質管理の徹底と、危険を伴う作業の安全性を向上できる。

 SAP PEOはトレーサビリティを担保するため、何を、いつ、どこで、誰が作業したかといった履歴を記録し、データベース化する。この「誰が」に該当する情報に、Skillnoteのスキルデータをひも付けることで、作業者のスキルや資格、教育受講履歴などを過去にさかのぼって追跡できる。例えば、製品に何らかの問題が発生した際に、作業に関わった時点で、作業者がどのようなスキル、資格を持ち、どのような教育を受けていたかなどを追跡検証することで、的確な改善策を講じられる。

 また、SAP PEOで管理される従業員個々の作業履歴データをSkillnoteに連携することで、作業時間とスキル習熟度の分析および判定の自動化を検討する。評価精度の向上や、評価管理業務の効率化、配置や育成への活用を想定している。

 SAPジャパンとSkillnoteは今後、SAP PEOとSkillnoteの連携強化に加え、他のSAP製造業ソリューションとの連携も進めていき、これにより設計・製造工程における人材活用の最大化とイノベーションを加速していくとしている。