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ラック、犯罪者が用意した不正口座をAIで検知する技術を開発。

金融犯罪対策ソリューション「AIゼロフラウド」に組み込みサービス提供

 株式会社ラックは24日、自社の金融犯罪対策センター(Financial Crime Control Center:FC3)が、不正利用される銀行口座(以下、不正口座)のAI検知技術を開発したと発表した。ラックでは、金融犯罪対策ソリューション「AIゼロフラウド(AI ZeroFraud)」に同技術を組み込み、サービス提供を開始する。

 「FC3」は、近年急増している金融犯罪被害の抑止・撲滅を目指して金融機関をサポートするために、2021年5月に設立された社内機関で、ラック独自の金融犯罪対策ソリューション「AIゼロフラウド」などによって、AIを用いた金融サービス利用者の取引行動の分析を行い、金融犯罪を高精度に検知する技術を提供。これによって、インターネットバンキングの不正送金や、ATMを介した特殊詐欺といった、銀行利用者が預金を窃取される被害の抑止効果が期待できることを実証してきたという。

 今回発表したAIエンジンは、この「FC3」が大手地方銀行の協力を得て開発したもので、犯罪者が資金を窃取する受け皿となる、不正口座の検知・発見を行える。不正送金等の取引を、犯罪者が資金を窃取するための「入り口」とするならば、送金先の受け皿となり現金引き出しなどに用いられる不正口座は「出口」にあたり、ラックでは、不正取引の送金先が不正口座であることが判別できれば、より効果的に、不正送金や特殊詐欺の検知・抑止が可能になると、その効果を説明している。

 なお同社は、今回開発されたAIエンジンを活用し、国内金融機関での金融犯罪対策ソリューションの利用拡大に向けて、2023年度より本格的に事業を展開する計画だ。