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ヤマハ、ネットワーク統合管理クラウド「YNO」をアップデート ログ分析サービスを標準機能として提供

ダッシュボードの強化やサマリーレポート作成などの機能も

 ヤマハ株式会社は29日、クラウド型のネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」をアップデートしたと発表した。ネットワーク運用管理をより効率的に行うための機能追加を行ったほか、2021年12月から実証実験として提供していたログ分析サービス「Log Analysis Service(LAS)」の実証実験を終了し、標準機能として提供する。

 YNOは、多拠点のヤマハネットワーク機器をクラウド上で一元的に監視・管理できる統合管理サービス。今回のアップデートでは、まず、YNOログイン直後のトップ画面であるダッシュボードにおいて、表示項目をガジェット化した。管理機器数やアラーム一覧など、表示させたい項目を自由に選択し、ダッシュボードに配置できる。LASで収集したログデータもグラフ表示可能で、複数のルーターのCPU使用率やNATセッション数などを並べて表示することにより、管理している拠点のネットワーク状態を一目で把握できるとのこと。

ダッシュボード

 また、対象機器・期間・掲載項目を選択し、ネットワーク管理の代行サービスなどを提供している事業者が、顧客への提出用レポートを簡単に作成できる「サマリーレポート」機能が追加された。レポートタイトル・企業ロゴ・テキストを表紙として追加可能で、作成されたレポートはPDF形式でダウンロードできる。

サマリーレポート
サマリーレポート

 さらに、LASで収集したログデータを機械学習で分析することにより、ネットワーク異常を検知する機能も搭載した。異常検知を利用する機器、CPU使用率やトラフィック量などの検知したい項目を選択し、検出感度を設定しておくと、一定期間ログデータを機械学習で分析した後、通常と異なる状態を確認した場合にグラフに表示したり、メールで通知したりすることができる。

異常検知の有効/無効、感度の設定
異常検知箇所のグラフ表示例

 このほか、ユーザー権限の拡張が実施された。従来も、YNOの1つのオペレーターIDに対して閲覧専用のユーザーを複数作成できたが、今回は、機器の設定権限の付与をアカウントごとに行えるようにした。例えば、複数の管理者でネットワーク管理を分担している場合、担当者ごとに設定変更可能なユーザーアカウントを発行できるので、管理代行サービスを提供している事業者や、グループのIT管理を担当している子会社などが利用すると、マルチテナントでの運用を容易に実現できるとしている。

ユーザー権限設定の管理イメージ

 なお、ダッシュボード拡張でのグラフ表示、サマリーレポート、異常検知の3機能を利用するには、ファームウェアを対応リビジョンに更新する必要がある。機器側では、RTX830とNVR700Wから提供を開始し、RTX1300、RTX1220、NVR510など、ほかの機種についても順次対応していく予定。

 一方でユーザー権限拡張の機能は、YNOに対応した製品であれば、すべてのファームウェアリビジョンで利用可能である。