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大分三愛メディカルセンター、デルのHCI「VxRail」などで医療情報インフラを再構築

 デル・テクノロジーズ株式会社は10日、大分市の社会医療法人 三愛会 大分三愛メディカルセンター(以下、大分三愛メディカルセンター)が、デル・テクノロジーズのソリューションにより、各種業務データが一元管理できる環境を構築したと発表した。デル・テクノロジーズのハイパーコンバージドインフラ(HCI)「Dell VxRail」や、データ保護専用アプライアンス「Dell PowerProtect Appliance」を採用している。なお、これらのソリューションはネットワールドが提供したとのこと。

 同病院では、最適な医療やケアを提供するうえで、各種の業務データを一元的に利活用できる環境が必要だったものの、各システムが個別に構築されていたため、同じ患者であっても、病院と介護施設ではIDが異なるといった状況が生じてしまっていたという。

 さらに旧環境は、VMware仮想化基盤と個別物理サーバーの混在環境であり、かつ旧仮想化基盤が3つの階層構成で構築され、複数ベンダーが関わっていたこともあり、不安定な状態に悩まされていたとのこと。

 また、昨今頻発している医療機関を狙ったサイバー攻撃対策としてさまざまなセキュリティ製品を導入していたものの、インシデント発生時に重要な役割を果たすバックアップが業務システムごとにサイロ化しており、病院全体として統制が取れていない点も課題だった。

 そこで、こうしたこれらの課題を網羅的に解消できるソリューションの導入を検討し、HCIの「Dell VxRail Sシリーズ」や、データ保護専用アプライアンス「Dell PowerProtect DP4400」を採用した。

 これらの製品を利用すると、拠点/部門の物理サーバーも含めたすべての業務システムをシンプルに統合でき、将来的な拡張も容易に行える点や、VMware環境との親和性が高く、VxRailを利用すると、旧仮想化基盤からの移行が容易な点、ハードウェア/ソフトウェア/VMware基盤を含めたワンストップサポートがデル・テクノロジーズから受けられる点、手間のかかる事前検証が不要点などが評価されたという。

 なお大分三愛メディカルセンターはこの採用により、同病院の医療情報インフラ全体のシンプル化・最適化を実現。信頼性や可用性も大幅に向上したとのこと。具体的には、個別物理サーバーで稼働していたシステム群を集約化できたほか、グループ社会福祉法人の介護系システムも統合され、その際に実施したノード増設作業も無停止で行えたとした。

 あわせて、すべての環境を単一のコンソールで統合管理できるため、運用管理に要する手間や時間を軽減。設置スペースも旧環境の2ラックから約2分の1ラックへと減少し、省電力化が図れたという。

 一方で、仮想化基盤内に収容されるサーバー数は以前の46台から77台へと増加しているものの、パフォーマンスは旧環境の約5倍に向上。さらに、万一セキュリティインシデントが発生した際にも、重要なシステム/データを迅速に復旧できる環境が実現し、レジリエンス(回復力)の向上につながったとしている。