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日本生命が基幹システムをハイブリッドクラウドへ移行、クラウド基盤にIBM Cloudを採用

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は20日、日本生命保険相互会社(以下、日本生命)がデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向け、基幹システムを最先端のクラウド技術と既存資産を活用したハイブリッドクラウドシステムに移行すると発表した。ハイブリッドクラウド化にあたっては、クラウド基盤としてIBM Cloudを採用し、最新のコンテナ技術であるRed Hat OpenShiftを活用して、レガシーアプリケーション資産をクラウドに「リフト」するだけでなく、コンテナ環境への適合までを実施する「シフト」にも取り組むなど、基幹システムのモダナイゼーションを行うとしている。

 日本生命では、2021年に策定した中期経営計画で、2021年から2023年の3年間を、経済・生活・社会環境が大きく変化する中、デジタル化の急加速、顧客ニーズの多様化、社会貢献への期待の高まりなどの変化を積極的に取り込みながら課題を乗り越え、成長と進化への道筋を確かにする期間と位置付け、“人・サービス・デジタル”で、顧客と社会の未来を支え続けるグループとなることを目指している。そして、中期経営計画の目標実現にはデジタル変革が不可欠だとして、「日本生命デジタル5か年計画」のもと、既存業務の効率化や顧客体験の向上などを目的とした業務変革、および新たな市場やビジネスモデルの創造を目的として事業変革を推進し、既存のビジネスを高度化しながら、新たな事業基盤の創造を図っている。

 こうした背景のもと、日本生命の基幹系システムの構築・運用を支援してきた日本IBMは、金融機関としての安定性や堅牢性のもとに培ってきたシステムやノウハウなどの資産を生かしながら、新しいテクノロジーを活用したより良い顧客サービスの提供に向け、あるべきシステムアーキテクチャーについて議論・検証を重ね、ハイブリッドクラウドシステムへの移行を決定したという。

 これにより、既存システム資産を有効活用しながら、マイクロサービスやコンテナ技術、DevOpsなど、先進クラウド技術の活用による新しいサービスの提供やスピードの向上、外部サービスとの連携といった、ビジネス貢献に資する機動性・柔軟性を備えた環境を構築し、日本生命のビジネスに適した攻めと守りのアーキテクチャーの両立を図れると説明。日本IBMは、オンプレミスからクラウドまで、構想や企画、製品やソリューション、デリバリーを一気通貫で提供し、ハイブリッドクラウド化を支援するとしている。

 日本IBMは、2024年のサービスインに向け、システムの構築を行うとともに、今後も日本生命との共創を通じて、安定的かつ機動性を備えたシステムの進化を図り、同社のDXの推進を支援していくとしている。