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日本生命、セキュリティを強化したIBMメインフレーム「z14」を採用

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は24日、日本生命保険相互会社(以下、日本生命)が、日本IBMのメインフレーム「IBM z14」を採用すると発表した。日本生命では、z14を災害対策ソリューション(GDPS)と組み合わせ、2018年5月より運用開始する予定。なお、z14の採用は国内金融機関では初めてという。

 日本生命ではこれまでも、IBMのメインフレームを生命保険業務の基幹系システムとして利用しており、2015年には、ハードウェア暗号化機構(Crypto Express)による従業員向けのマイナンバー登録・参照業務の運用を開始するなど、機密性の高いデータを取り扱うセキュリティ基盤としても活用している。

 一方、今回採用を決めたz14は、システム上の全データを次世代ハードウェア暗号化機構(Crypto Express6S)で暗号化可能な特徴を持つ。これにより、暗号化に伴うアプリケーション変更を最小限に抑えられるほか、パフォーマンスに影響を与えない、追加コストも不要、といったメリットを享受できる。また、外部ハッカーの標的となりやすい暗号鍵はハードウェアで保護されており、侵入の兆候があるとキーを無効化させ、その後、安全に復活させる、といった仕組みが搭載されている。

 日本生命では、こうした全方位型暗号化、高いセキュリティ機能を評価し、z14の採用を決めたとのことだ。また今後は、本番環境でも、個人情報や契約情報などの機密性の高いデータをz14で管理していく計画としている。

 さらに同社では、次年度以降に計画されている大規模プロジェクトにおいて、IBMメインフレームを基盤ロードマップ上の中核製品として位置付けているとのこと。メインフレームで稼働する基幹系システムは、将来的にIBM APIコネクトを利用した代理店業務とのサービス連携などへの展開・拡大も視野に入れ、保険契約者のデータ保護、顧客サービスのさらなる拡充を見込んでいる。