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NTT東西、固定電話のIP網移行に関する具体的なスケジュールを発表
INSネットの「ディジタル通信モード」は、地域ごとに2024年1月2日から3段階で提供を終了

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は8日、固定電話のIP網移行(PSTNマイグレーション)について、具体的なスケジュールを公表した。固定電話発の通話は、2024年1月1日からIP網への移行を開始する。

 NTT東西のマイラインが登録されている通話等については、全エリア一律で2024年1月1日に移行する予定。

 また、NTT東西以外をマイライン登録している通話の移行や、INSネット(ディジタル通信モード)の提供終了と補完策の提供については、地域ごとに3段階のスケジュールで実施する。2024年1月2日に山形県と鳥取県から実施。1月17日には青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県で実施。その他の都道府県では1月31日に実施する予定となっている。

PSTNマイグレーションの時期

 PSTNマイグレーションについては、2010年の発表以来、これまで何度かにわたって発表や記者説明会が行われてきた。今回も、12月8日に開催された記者説明会で、移行内容をあらためて説明するとともに、移行スケジュールが明らかにされた。

左から、NTT東日本 経営企画部 営業企画部門 部門長 井上暁彦氏、NTT東日本 経営企画部 中期経営戦略推進室 室長 新國貴浩氏
左から、NTT西日本 経営企画部 営業企画部門 部門長 藤本誠氏、NTT西日本 経営企画部 マイグレーション推進室 室長 中石敬治氏

 PSTNマイグレーションとは、固定電話の局内設備を、加入者交換機や中継交換機などの交換機からなる「PSTN網」から、「ひかり電話」などですでに用いている「IP網」へ切り替えることを指す。

 これについて、NTT東日本の井上暁彦氏(経営企画部 営業企画部門 部門長)は、あくまで局内設備の変更であり、固定電話をやめたり家庭のメタル回線を置き換えたりするものではないとあらためて強調した。

 そして、顧客による手続き不要、顧客宅での工事不要、電話機等の交換不要であることを説明。悪質な便乗商法の可能性もあるので注意してほしいと呼びかけた。

PSTNマイグレーションとは
悪質な便乗商法への注意喚起

 移行後の料金体系については基本的に、僚誌「INTENET Watch」で2022年1月の記者説明会について報じたとおり。

 基本料(回線使用料)は、現在の基本料と同額となる。通話料については、IP網移行にあたり、距離に依存しないIP網の特性を生かしたシンプルでフラットな料金体系とする。例えば固定電話の着信は全国一律・全時間帯で3分間9.35円となり、これは昼間・夜間の市内通話と同じであるため、多くの場合は同等か値下げになるという。

 提供を終了するサービスとしては、INSネット(ディジタル通信モード)や受信用電話、短縮ダイヤルなどがある。これらの終了予定が、前述のとおり2024年1月1日であることが新たに公表された。

 また、テレホーダイやエリアプラスなどの通信料割引サービスも提供を終了する。これについても、2023年9月30日に新規受付を停止し、2024年1月1日から割引適用しなくなるというスケジュールが新たに公表された。

 そのほか、マイライン・マイラインプラスも終了する。これについても、2023年11月30日に新規受付を停止。2024年1月以降に、IP網への切り替えに合わせ、地域ごとに段階的に終了すること(前述)が新たに公表された。

基本料は現在と同額
通話料の変更
提供を継続・終了するサービス
終了する通話料割引サービス
マイライン・マイラインプラスの終了

 なお、INSネット(ディジタル通信モード)の終了についての補足として、終了するのはあくまでディジタル通信モードであり、通話モードはこれからも継続することを井上氏はあらためて説明した。

 INSネット(ディジタル通信モード)を利用している主な例として、POSや信用照会端末、警備、EDI、エレベーター監視、企業内WANでのデータ通信のバックアップなどの例を挙げ、最新のものは置き換わっているが、古いものは注意してほしいと呼びかけた。

INSネット(ディジタル通信モード)を利用している主な例