ニュース

SansanとSchooがリスキリング領域で業務提携 「Eight」のキャリアタブで提供する学習コンテンツを大幅拡充

 Sansan株式会社と株式会社Schooは5日、業務提携契約を締結したことを発表した。Sansanの名刺管理機能を中核としたキャリアプロフィールアプリ「Eight」と、Schooの社会人向けオンライン学習サービス「Schoo(スクー)」を通じて、ビジネスパーソンのリスキリング(学び直し)支援を行い、キャリア形成を後押ししていく。同日に行われた記者発表会では、リスキリング領域で両社が業務提携する背景やサービス連携の概要について説明した。

 今回の提携によりSansanでは、「Eight」内のキャリアタブでテーマに沿った「Schoo」のコンテンツを配信し、ビジネスパーソンのリスキリングを後押しする学習コンテンツを拡充する。また、新たにキャリアタブのカテゴリーに「経営企画・マーケティング」を追加することで、学習コンテンツの拡充とあわせて、より幅広い職種のビジネスパーソンのキャリア形成をサポートしていく。

 Sansan 執行役員 Eight事業部 Eightキャリア&ソリューション部 部長の小川泰正氏は、「帝国データバンクの『DX推進に関する企業の意識調査(2022年9月)』によると、リスキリングに取り組んでいる企業の割合は48.1%と半数近くを占めていた。また、10月の岸田内閣の所信表明演説でも、個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投資することが言及されるなど、リスキリングに対する気運が急速に高まっていることを感じている」と述べ、ビジネスパーソンのキャリア形成においてリスキリングの重要性が増しつつあると指摘する。

Sansan 執行役員 Eight事業部 Eightキャリア&ソリューション部 部長の小川泰正氏

 また、「これまで当社は、『Eight』に搭載されているキャリアタブで、キャリアアップやキャリアチェンジに必要なスキルを身に付けるための学習コンテンツを動画で提供し、ビジネスパーソンのリスキリングを支援してきた。今回、キャリアタブでのリスキリングをさらに後押しするために、約8000本の幅広いオンライン学習コンテンツを持つSchooと業務提携契約を締結し、コンテンツに関する連携を開始する」と、Schooとサービス連携を行う狙いを述べた。

「Eight」に搭載されているキャリアタブ

 具体的には、「Schoo」で提供している、録画授業などの豊富な学習動画を、12月5日から「Eight」のキャリアタブで配信開始する。学習動画は、「ビジネス基礎力」や「デジタルリテラシー」など総合的な内容から、職種に特化した内容まで幅広いジャンルを取りそろえている。また12月6日からは、これまでの「営業」カテゴリーに加え、新たに「経営企画・マーケティング」のカテゴリーを設置。経営企画やマーケティング領域におけるキャリアアップやキャリアチェンジに役立つ情報を掲載していく。

キャリアタブに「経営企画・マーケティング」を追加

 Schooでは、「営業」と「経営企画・マーケティング」のそれぞれのカテゴリーにマッチしたものを選定し、毎日1本ずつレポート記事とあわせて公開する。ユーザーは、「Schoo」の多種多様な動画コンテンツをすべて無料で視聴でき、「好きな時に」「好きな場所で」「好きな分だけ」スキルを学ぶことが可能になるという。

キャリアタブで提供する学習コンテンツ

 Schoo 執行役員 CCOの滝川麻衣子氏は、「岸田首相の所信表明演説でも示されたように、2022年は『リスキリング元年』ともいえる年になったと考えている」とし、その背景として、(1)世界的なESG投資の流れから人的資本経営が常識に、(2)新型コロナでDXが加速した一方で日本のデジタル人材不足が露呈、(3)人口減少社会で終身雇用が崩壊し雇用流動化が加速--の3点を挙げた。「こうした背景から、新産業に向けてデジタルへの労働移動が迫られており、その手段としてリスキリングの重要性がかつてないほど高まっている」との考えを示した。

Schoo 執行役員 CCOの滝川麻衣子氏

 今回のSansanとの業務提携については、「『Eight』に『Schoo』の豊富な学習コンテンツを提供することでリスキリングを後押しし、ビジネスパーソンのライフタイムにSansanと共に伴走していく。そして、雇用流動化に向かう社会で、自信を持って自らのキャリアを築けるよう支援していく」と意欲を見せていた。