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ctcとTRIPLE-1、Massive MIMO技術を用いたローカル5Gの共同実証実験を実施

 中部テレコミュニケーション株式会社(以下、ctc)と株式会社 TRIPLE-1は5日、「Massive MIMO」技術を搭載するTRIPLE-1製ローカル5G基地局「TOKI」を用いて、ローカル5Gの共同実証実験を開始したと発表した。

 Massive MIMOは、超多素子アンテナを基地局に実装し、ローカル5G端末ごとに異なるビームを向けることで、通信品質の向上と同時接続時の通信量を拡大させる技術。従来のローカル5G基地局では、特定の敷地・建物内の全ての5G端末に対して、十分な強度の電波到達性を確保することが困難で、複数の基地局設置が必要となるという課題があったが、ctcとTRIPLE-1ではこの課題に対して、Massive MIMO技術を用いてアプローチしていくとしている。

通常の基地局:複数のユーザーで電波をシェアするため、同時利用時に通信速度が落ちる
Massive MIMO:それぞれに専用の電波を割り当てることで、各ローカル5G端末単位で高速な通信が可能

 実証実験では、実際の集合住宅で、屋外に設置するMassive MIMOを利用したローカル5G基地局の電波カバー範囲や建物内への電波伝搬特性の検証と、Massive MIMO利用時に、複数のローカル5G端末を同時に接続した場合の通信品質の検証を行う。実証実験期間は、2022年11月29日から2023年3月31日までの予定。

 ctcは、通信事業者として各種サービスにおける顧客からのニーズを検証に生かし、基地局から検証設備までの環境を提供する。TRIPLE-1は、今回の共同実証実験において、Massive MIMO技術を搭載した同社製ローカル5G基地局「TOI」の提供および5Gシステムの設計・構築を担当する。

 ctcとTRIPLE-1では今後、顧客に対してより高速で快適なネットワークサービスを提供するため、検証で得た知見を生かし、ローカル5Gに関する検討を引き続き推進していくとしている。