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徳島県とNEC、NTTドコモなど6社、ローカル/キャリア5Gのハイブリッドネットワーク環境を構築

 徳島県とケーブルテレビ徳島株式会社、日本電気株式会社(以下、NEC)、NECネッツエスアイ株式会社、株式会社NTTドコモ四国支社、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、株式会社JTOWERの6社は8日、JTOWERが提供する5G共用装置の活用により、ケーブルテレビ徳島、NECグループが提供するローカル5Gと、NTTドコモのキャリア5Gを併用するハイブリッドな5Gネットワークの環境を、国内で初めてインフラシェアリングで構築し、医療分野をはじめとする徳島県のDXを推進すると発表した。

 取り組みではまず、徳島県庁舎、徳島県立中央病院に環境整備を行い、2023年春の運用開始を目指す。

 徳島県では、2011年の地上デジタル放送への移行を機に、山間部を含む県全域において、ケーブルテレビ網および光ブロードバンド環境を整備し、通信インフラを活用した企業誘致のほか、雇用、教育、防災などのICT施策に取り組んでいる。

 さらに、2020年3月の5G商用サービス開始とともに「徳島5G革命」を打ち出し、全国の自治体で初となるローカル5G予備免許を取得し、地域の病院と基幹病院を5Gでつなぐ遠隔医療の取り組みを開始するなど、少子高齢化による人口減少や多発する大規模災害などさまざまな課題解決に向けた取り組みを進めている。

 今回の新たな取り組みにより、ローカル5Gの強みである安定性・高セキュリティと、キャリア5Gの強みである広域性・汎用性を組み合わせた、これまでにない革新的な施策を実現するハイブリッドな5Gネットワーク環境が整うとしている。

ハイブリッドな5Gネットワーク環境 概念図

 ユースケースとしては、緊急性の高い救急医療において、キャリア5Gの活用により、走行中の救急車から患者の高精細映像や心電図などのデータを病院と共有できることから、医師が救急救命士に迅速かつ的確な指示を行え、病院到着前から適切な準備に着手できると説明。合わせて、ローカル5Gの活用により、高精細動画などの大容量データを県内の病院間で安全に共有し、救急対応を行う病院を他病院が支援できるなど、さらなる医療品質の向上が実現するとしている。

 さらに、ハイブリッドな5Gネットワーク環境により、通信回線の冗長化が図られ、災害時などでもより安定した医療・災害支援対応が可能になる。

 今回の取り組みでは、インフラシェアリングにより、ローカル5Gとキャリア5Gの基地局設備を共用化することで、設備の簡素化や省スペース化、省電力化などが可能となり、より効率的で環境に配慮したネットワーク環境の整備を実現。今後、徳島県がローカル5Gの取り組みを推進していく上で、地域におけるキャリア5Gの効率的なエリア拡大が可能となり、県内の5G通信環境の向上にもつながるとしている。