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エクサウィザーズ、AIモデルのためのシミュレーション画像作成サービス「exaBase ビジョンシミュレーター」を提供

 株式会社エクサウィザーズは2日、AIモデルの開発用画像データ収集コストの削減を可能にする、AIモデルのためのシミュレーション画像作成サービス「exaBase ビジョンシミュレーター」のαリリースを発表した。

 AIモデルの学習では、多くのデータが必要になるが、実データの収集コストは非常に高くなってしまうケースが多く、開発や実装に時間がかかる一因となっている。そのため、シミュレーション技術を使って大量のデータを自動的に作る試みが、以前から多く行われてきた。しかし、シミュレーションで作られたCG画像はリアルさに欠けることが多く、学習させた認識AIモデルの性能が必ずしも十分ではないことが課題となっていたという。

 今回、エクサウィザーズが開発し、提供を開始したexaBase ビジョンシミュレーターでは、3Dメッシュデータなどをもとに、認識AIモデルに必要なアノテーションつきCG画像データを大量に生成し、エクサウィザーズが考案した画像のリアルさを評価するフレームワークを使用することで、画像のリアルさを評価できるようになった。

 このフレームワークに基づいて、レンダリングのパラメーターを調整することで、どうすればよりリアルな画像が生成できるか定量的に評価・決定することが可能になり、よりリアルなCG画像、より高精度なAIモデルを開発できるようになる。

 サービスで作成した物体検出AIモデルは、エクサウィザーズが検証した環境では、従来のCG画像で学習させる手法よりも最大3.6ポイント程度高い精度が出ることが確認された。さらに、CG画像で学習したAIがより確実に対象物を認識できるようになるため、実画像の場合に数週間かかるようなデータ収集が数日間で完了するといった、大幅な効率化も期待されるとしている。

 また、フレームワークに基づいてさまざまな後処理を加える技術開発も行っており、今後は画像のリアルさ、AIモデルの性能ともに改善していく予定としている。

 サービスは、国立研究開発法人理化学研究所のガーディアンロボットプロジェクトでの試験採用が既に決定しており、同プロジェクトにおける試作機「ぶつくさ君」に装着されたカメラ画像における物体認識アルゴリズム開発での検証が予定されているという。