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ヒトの感性への働きかけを画像解析で定量化――、コニカミノルタが「EX感性ソリューション」を発表

感性脳工学により購買活動につながる最適なデザインを追求可能

 コニカミノルタ株式会社は26日、感性脳工学を利用し、購買活動につながる最適なデザインを追求するオンラインサービス「EXplainable感性ソリューション」(以下、EX感性ソリューション)を発表した。2022年秋の販売開始を予定している。

 「EX感性ソリューション」は、ヒトの感性への働きかけを脳工学に基づいた画像解析で定量化し、購買活動につながる最適なデザインを追求するサービス。この画像解析により、パッケージ、ポスター、カタログ、Webサイトなどのデザインや商品の陳列など、感性への働きかけを定量的に示し、Explainable(説明可能)にしている点が特徴で、これによって消費者の購買行動を予測し、購買活動につながる最適なデザインを追求できるようになるという。

 具体的には、デザインの色、輝度、形状の特徴量を基に、ヒトの注目しやすさをヒートマップ形式で表示する機能を備えており、訴求したいポイントを目立たせるデザインの改良を行えるとのこと。また、抽出した文字に関する注目性を数値で表示することも可能で、文字や背景の色などを変化させて比較しながら、より文字が目立つ改良を行えるとした。

 さらに、配色が与える印象についてのさまざまなデータを搭載しており、デザインから受ける印象を自動的に分析して、レーダーチャートで表示できる。この機能では、ターゲットとなる顧客に届けたい印象や刺さる印象をどの程度与えているか、また、コンセプトに合った印象をより強く与えるための配色の修正方法などを認識可能だ。加えて、配色による印象について、競合するデザインと並行して分析することで、デザインの差別化を定量的な根拠に基づいて行えるとした。

 なお、先行導入された焼き肉店「うしこぞう」では、Webおよび店内メニューの刷新に際して同ソリューションを活用。Webについては、来店したくなる高級感を訴求するため「風格のある」「おごそか」を想起させる配色に、一方のメニューでは、親近感を持ってもらえるよう「くつろいだ」「家庭的な」印象を与える配色を選択したところ、店予約の172%増の効果を立証したという。

 また、ECサイト「型抜き印刷ドットコム」を運営する株式会社エールでは、同じカップでも、タグの違いでいくらに見えるかのアンケート調査において、一般的なタグだと335円のところ、型抜き印刷によるタグの場合は650円と、1.9倍の効果が得られたため、これを感性評価で解析した。

 その結果、一般的なタグでは、明度と彩度が低いために注目されず「単調な印象」であったのに対して、型抜きタグは「モダンな印象」によって注目性が高まっていたことがわかったとのこと。同社では、こうして商品タグの効果を科学的に説明できるようになったため、自社の提案力アップにつながったとしている。