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北海道電力の発電所でローカル5Gを用いたセンサー機器の接続実証に成功、HOTnet、エマソン、NSSOLの3社が支援

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は4日、北海道電力株式会社による広域無線計装ネットワークの実現に向けた接続実証試験を、北海道総合通信網株式会社(以下、HOTnet)および日本エマソン株式会社(以下、エマソン)の3社共同で支援し、国内で初めて無線計装(センサー)機器群とローカル5G無線装置との接続実証に成功したと発表した。

 実証実験は、HOTnetのローカル5G(4.8GHz帯)の無線局免許取得を受け、免許取得地である北海道電力の苫東厚真発電所において実施した。

 北海道電力など電力会社各社は、発電所内の設備の稼働状態を各設備に設置したセンサーから取得したデータを用いて把握・管理している。センサーのデータを用いた設備管理は、設備間の影響の相関関係を可視化することにより、設備の安定稼働や設備故障の予兆検出につながるため、電力の安定供給および発電所全体の安定運転を実現する上で重要な課題となるという。

 一方、大規模プラントである北海道電力の苫東厚真発電所は設備数が非常に多く、必要なセンサー機器群は膨大な点数に上り、大量のセンサーと監視サーバーとをつなぐ有線ケーブルの敷設・維持コストは高額で、災害時の健全性リスクも高くなることから、低コストでの広域計装ネットワークを実現するには、センサーとサーバーを結ぶネットワークの無線(ワイヤレス)化が有効になると説明。広域計装ネットワークへのローカル5Gの活用は、北海道電力におけるローカル5G活用ユースケースの1つとして位置付けられていることから、実証実験の実施に至ったとしている。

 実証実験では、苫東厚真発電所の設備群に設置したセンサーから収集されたデータを、ローカル5Gを用いてサーバーに伝送し、監視者がPCから取得データを表示できることを確認した。

ローカル5Gを用いた広域無線計装ソリューション 概念図

 実証実験においては、北海道電力が接続実証実施、実証地としての場所の提供、センサー機器の取り付け工事、実証結果分析を担当。HOTnetが接続実証試験のプロジェクトマネジメント、接続実証実施と結果集約を担当した。また、エマソンは測定アプリケーションの選定、センサー機器の提供と監視システム構築、ローカル5G装置との接続を担当。NSSOLはローカル5G装置とエマソンのセンサー機器との接続、プロジェクトマネジメント支援を担当した。

 今回の接続実証の成功を受け、北海道電力とHOTnetは連携して、ローカル5Gを活用した広域無線計装ネットワークの本番導入の検討を進めていく予定としている。

 NSSOLは、「ファーストDXパートナー」として、製造・エネルギー業界のシステム構築およびDXソリューションの提供による知見を生かした、DX支援を行っていくと説明。アプリケーション・基盤・通信を含めたトータルDXソリューションを提供し、日本のインダストリー4.0の実現に貢献していくとしている。