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NSSOL、アラクサラ、サイバートラストの3社、ネットワーク機器の最大10年間保守実現で協業

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)、アラクサラネットワークス株式会社(以下、アラクサラ)、サイバートラスト株式会社の3社は29日、SDGs対応が進む社会状況において、サステナビリティを考慮したICTインフラの実現を目指す協業を開始したと発表した。

 協業では、各社が保有するICTインフラ保守に関する技術・製品を組み合わせることで、装置の保守期間を最長10年間まで提供し、顧客のインフラ維持費用低減や機器群の調達/廃棄の課題を軽減するほか、ICT戦略立案リソース確保など、事業推進への貢献を目指すとしている。

技術検証対象技術・製品

 3社では、企業・公共団体で用いられているネットワークの装置耐用期間は概ね5年程度で、定期的に入れ替えを行うが、準備・移行期間を踏まえると、現状の耐用期間内に入れ替えを行うためには、導入後すぐに次の入れ替えの計画業務に入る必要があると説明。企業・公共団体の情報システム部門にとって、この計画業務は予算整理・設計・実装など負荷が高く、また数年がかりで行う長期プロジェクトとなり、情報システム部門がICTインフラ維持に多くの工数を割くことにつながり、その結果として企業成長に必要なICT戦略にリソースをかけきれないという課題が生まれると指摘する。

 こうした課題に対して、3社はそれぞれの技術・製品を組み合わせることで、最長10年間のネットワーク機器群の保守提供を実現し、ICTインフラ維持に関する検討負荷を大幅に削減することを目指すと説明。保守可能期間を延長することで計画業務の頻度を減らし、各組織の情報システム部門が、計画業務にあてていたリソースをICT戦略立案といった事業推進に必要な業務にあてられるようになるとしている。

 対象技術・製品群のうち、NSSOLではサーバー・ストレージ製品「HAGANE」を提供。デル・テクノロジーズ株式会社のOEM供給を受け、NSSOLで最長10年の保守対応を実現する。国内外での安全保障分野で求められる品質基準をクリアし、提供し続けてきた実績を生かし、製造業など一般の顧客向けにも提供を行っている。

 アラクサラでは、ネットワーク・運用監視製品「AXシリーズ」を提供。自社開発のスイッチを中心とした、ミッションクリティカル業務向けに多数の実績のある高信頼なネットワーク製品で、L2/L3 スイッチ・ルーター・無線アクセスポイントに至るまで、多様なネットワークを構成できる豊富なラインアップを揃える。また、安定稼働に必要な運用管理・監視用ソフトウェアも提供し、最長10年の保守対応を実現する。

 サイバートラストでは、オペレーティングシステム「MIRACLE LINUX」を提供。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をベースに開発した国産Linux OSとして、CentOS Linux 8とのバイナリ互換を維持する。従来のCentOSの利便性を維持しながら、MIRACLE LINUXの安全性と信頼性により、長期継続利用可能なLinuxシステム環境を提供する。

 協業による最大10年の保守を可能としたICTインフラは、NSSOLおよびアラクサラの販売会社を通じて提供する。