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ヴイエムウェア、VMware環境を一元管理管理する「vSphere+」と「vSAN+」を発表

 ヴイエムウェア株式会社は29日、オンプレミスやパブリッククラウド上のVMware環境を一元管理できる「VMware vSphere+」と「VMware vSAN+」を発表した。

 これらの新サービスは、2021年10月開催の「VMworld 2021」で、テクニカルプレビュー「Project Arctic」として発表されたもので、クラウドベースのインフラの集中管理、Kubernetesの統合、新しいハイブリッドクラウドサービスの利用、柔軟なサブスクリプションモデルを通じて、顧客のインフラ強化を支援する。

 ヴイエムウェアでは、vSphere+とvSAN+は、分散化された環境にわたって付加価値の高い機能を提供するとともに、一貫性のあるインフラを実現させる、VMware Cloudの戦略に不可欠な要素だと説明。vSphere+とvSAN+により、顧客はディザスタリカバリーやランサムウェア対策など、オンプレミスで稼働するビジネスクリティカルアプリケーションの主要なユースケースに対して、アドオンのハイブリッドクラウドサービスを有効にできるとしている。

 現在のインフラ運用部門はますます大規模化し、より複雑になる環境をサポートするために、効率的にインフラの保守/保護を行える方法を模索していると指摘。vSphereの環境は、サイロ化された拠点やエッジサイト、クラウドに分散している場合が多いため、運用の複雑化、保守の効率低下という課題を抱えているとした。

 こうした課題に対し、vSphere+とvSAN+はVMware Cloud Consoleを介して、分散環境で統合的なインフラ管理を行えるようにすると説明。VMware Cloud Consoleは、オンプレミス環境におけるグローバルインベントリコンフィグレーション、アラート、管理、セキュリティステータスに対応し、管理者はVMware Cloud Consoleから直接、展開環境全体の設定/ポリシー管理など、特定の運用タスクを実行できるとしている。

 さらに、オンプレミスにおけるインフラ コンポーネントの更新をクラウドベースの自動化機能により実現することで、ライフサイクル管理を大幅に簡素化でき、企業の要件や規制要件へのコンプライアンスの順守に向けたセキュリティチェックを含め、クラウドベースの修復およびコンフィグレーションドリフト機能を活用できる。

 Kubernetesの統合による開発スピードの加速化にも貢献。vSphere+は、Kubernetesでオーケストレーションされた仮想マシンとコンテナを実行できる単一のワークロードプラットフォームを提供することで、オンプレミスのインフラをエンタープライズクラスのKubernetesプラットフォームへと進化させるとしている。

 また、vSphere+では、VMware Tanzu Standard Runtimeによって、開発者はオンプレミス、パブリッククラウド、エッジ環境にわたる一貫性と効率性を実現しながら、大規模なKubernetes環境の実行、管理を可能にすることで、マルチクラウドIaaSの利用体験を提供。VMware Tanzu Mission Control Essentialsの実装により、Kubernetesフットプリント全体を網羅したグローバルな可視化と運用タスクの自動化も実現する。

 災害やランサムウェア攻撃への対策についても、vSphere+とvSAN+の活用により、ツールセットや専門知識といった既存の資産を引き続き利用しながら、VMware Cloudが提供する拡張機能のメリットを享受できると説明。オンデマンドで提供される「VMware Cloud Disaster Recovery」など、運用環境に直接統合されるアドオン型クラウドサービスを利用して、ワークフローを保護できるメリットも得られるとしている。

 ヴイエムウェアでは、この他にも新しいアドオン型クラウドサービスを現在開発中で、今後リリース予定のさまざまなサービスを通じて、クラウド移行を効率的に進められるように支援するとしている。